ブレーキの整備。

本当なら、購入直後にしなければいけない整備です。なんせ中古車。前のオーナーがどの程度面倒を見ていたのか丸っ切り判らないのですから。

走らないバイクは安全ですが、止まらないバイクは・・・・・・・・。

今回は整備と同時に、ある程度の改良もする予定。と言いながら通勤バイクですので今日中に完成させないと家へ帰れない・・・・・。

ブレーキ整備の最初の手順。フルードを全て抜き切りましょう。

マスターシリンダーのタンクの蓋を取ったら・・・・・(大汗)。

フルードの色がメチャ濃い。2〜3年以上交換していませんね。フルードが痛むとブレーキタッチもフニャフニャに成ります。

今のシェルパがその状態。

ワンマンブリーダーで一気に引っ張ります。ブレーキ整備を個人でする場合、ワンマンブリーダーは必需品って思っているんですが・・・。

で、引っ張ったフルードの色・・・・・。

あ、あのーーーーーーー。

こんなに汚れているフルードは暫らく振りに見ました。此れじゃブレーキタッチがフニャフニャな訳で・・・・。

兎に角、マスターとキャリパーのオーバーホールに必要なパーツは揃えて有るので、標準できちっと整備。

不満が出たらマスター交換。と言う感じでスタートです。

外したキャリパー、ピストンは抜け落ちる一歩手前までエアーで出します。

このキャリパー。小型なだけで構造はSTのノーマルキャリパーと全く同じ。メーカーが一緒ですから。

と言う事で詳しい手順はSTの方を見て下さい。

表に露出している部分のピストン。かなり酷い。5年間10000km、一度も整備をされた事の無いキャリパーです。

外したピストン。汚れはブレーキ熱で焼き付いていますので、パーツクリーナーでは歯が立ちません。

こんな時は御馴染みの『錆び取りつや之助』が活躍します。

表に出ている部分は点錆が発生していますので、次回はピストンも交換です。

パッドはそれ程減っていないノーマル。一度交換はされたようですね。交換の時にキャリパーも面倒を見なきゃ。

で、このパッド。どうもシンタードくさい。シンタードは巧く使わないと鳴き易い。

で、鳴き防止の裏プレートです。確かに鳴き防止には役に立ちますが、ブレーキのタッチには邪魔なパーツ。

取ってしまいました。

勿論、その後の裏面研磨は行っています。メーカーでは裏面研磨なんて出来ない。で、プレートで誤魔化し。

鳴き防止と称して、ピストンとパッドの間に何かを挟む手法が有りますが、僕は邪道だと・・・。

あ、今回のプレート。材質がステンレスの様ですから、パッドの熱をピストンに伝え難くする働きも有ります。メーカーは此れを狙ったのかなー?

ちなみに試乗ではブレーキの鳴きは見られませんでした。

シェルパの素晴らしいブレーキホースの取り回し。矢印の黒いホースがブレーキホース。

タイラップで止められて、無理な曲げ方を・・・・・。何考えてるんだろー?

この取り回しのまま、ステンメッシュへ交換は出来ません。こんな曲げ方をしたら・・・・。

ブレーキタッチがきっちりとするのは、ホースが膨らまないから。

膨らまないと言う事は膨張し辛い。膨張しづらいと言う事は曲がり難い。

以前、ある雑誌で曲がり易いテフロンホースと言うのを持ち上げていました。

曲げ易い、って事はブレーキタッチもゴムホースに近くなると言う意味なのに・・・・。

ノーマルのマスターも分解掃除。勿論ピストン関係は交換。ピストンカップのゴムは十分に磨耗。

そうなんです。煩い事を言ったら、マスターも10000kmでオーバーホールです。

で、ホースだけ交換状態で、組んで見ました。確かに以前よりは良いタッチなんですが・・・・・。

無効ストロークが大きい・・・・・・。

で・・・。

2号から外して取っておいた12,7Φのマスター。タンク別体がナントも・・・・・・・(汗)。

ハイ、タッチはグーンと向上。カチッとした好みのタッチ。

マスターを交換なんてしたもんだから、フルードは結構消費。

テフロンホースの取り回しです。何箇所かタイラップで位置決め。勿論サスが伸びきった位置でもホースが張らない長さに調整。

明日の朝練・・・・・・・・(ニコッ)。

2012.4.18

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