オイロダインの4ウェイ化

オイロダインと付き合ってきて、15年ほど経つ。その間色々なスピーカーが出入りしたが、彼を追い出した奴はいない。ネットワークを何度も作り直し、励磁電源を強化し、励磁コイルの巻きなおし、フレームの強化。考えつく事はやってきた。そのたびにこいつは違う一面を見せる。こいつの限界点はどこなんだ。柔なスピーカーは大体途中で音を上げる。其処まで虐めないでよ、って。でもこいつは音を上げなかった。

でも、今年に入ってから、様子が変ってきた。周りが固まってくると、以前より気に成っていた高域(8kHz以上。)の荒れが目立ってきた。五月蝿いのでドライバーを絞ると、500Hz以上が落ちてしまう。其処が落ちてしまうと、演奏の緊張感も出なくなってしまう。

仕方が無い。遂にトゥイーターを使わなければいけなくなった。

僕がトゥイーターを付けたのは、高域のレンジを伸ばす為ではない。もし其れを狙ったならリボントゥイーターをチョイスしただろう。

トゥイーターの位相調整をしないまま聞いたら、2ウェイの時となんら変らない。大成功。

翌日トゥイーターの位相調整をしたら、高域の荒れが無くなり予定通り。

そんな時に、コアキシャルのウーハー(10W)にリボントゥイーターを付けた2ウェイを作った。

こいつを鳴らしたら、オイロダインが遅く聞こえる。おい、このウーハー(オイロダイン)よりも早いウーハーって有るのかよ。チョットショック。こまった、38cmのウーハーでこいつより早いウーハーを僕は知らない。今時のfoの低い重いコーン紙のウーハーでは話にならない。

その時、オイロダインのネットワークを作っていた頃、クロスで悩んだのを思い出した。ウーハーは500Hzが苦しいし、ドライバーも500Hzがギリギリ。メーカーの設計としては正攻法。オーバークオリティはやってはいけない。

そうか、10Wをミッドバスにすればいいんだ。以前ミッドバスを使った経験では、バイタのCN123を使ったので、ついコーンユニットに目が行ってなかった。10Wの能率がウーハーより若干低いが、マルチアンプで鳴らすので、問題無い。一番の問題はパワーアンプの台数が足りない。

ウッ、ウーーーーーン。作るしかないか。でも此処まで考えて作るのだから、パワーアンプも妥協の産物ではダメダ。

続く。

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