アームの考え方 W

アームの感度は高いほど良い。これはその通りです。でも機械強度との兼ね合いが大事です。昔有るメーカーの宣伝にこの様なのが有りました。

貴方のアームのゼロバランスを取り、先端にマッチ棒を1cmに切った物を乗せて下さい。その状態でアームの先端が下がったら貴方のアームは高感度です。

一見正しい意見のように思われます。でも軸受けに対しての重心位置に考えが至っていません。つまり重心の高いアームなら動きますが重心の低いアームは動きません。理論的に一番感度が高いワンポイントアームで実験してみてください。このアームは取り扱い上低重心に設計しないと使えたものでは有りません。結果マッチ棒を乗せても僅かにしか動きませんし、逆にSME3012R等は高重心の設計ですのでゼロバランスさえ取りにくいです。

でも、本当にこんなに高い感度が必要なのでしょうか。この辺は針圧の軽いカートリッジ程高級品でレコードを傷めないと思われていた時代の名残です。

アームの長さと軸受けの位置を考えてください。モーメントの関係です。先の2gの針圧で軸受けに掛かる力を考えたら、それ程の高感度は必要が無く、返って機械強度が必要な事を思いつくでしょう。

この様な事をキッチリ設計してあるアームでレコードを聞いてみて下さい。(レコーディングスタジオでもこの様なアームは使っていません。)CDの音には戻れなく成ります。

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