シンプルイズベスト

シンプルイズベスト。色々な時に使われています。オーディオの世界でも良く使われている言葉です。華美を嫌い、基本に忠実にとの言葉と僕は理解しています。

でも、僕とは違う考えの方も居る様です。つまり部品点数を減らして簡潔にまとめるとの考え方。一見正しく思えますが、かえって複雑になっているのが現状の様です。

具体的に書いてみましょう。

僕のシンプルさは、一つの部品に一つの仕事しかさせない事なのです。その為に部品点数は増えてしまいます。ですが、一つの仕事しかしていませんから、動作が単純です。つまりあちらを立てればこちらが立たず、と言った事が起き難いのです。部品もその仕事に本当に合った物をチョイス出来ますし、原因不明のトラブルも起き難くなっています。(複合的なトラブルが出にくいのです。)

ひとつのモデルです。愛用スピーカーUの写真を見てください。(写真) 一般の平面バッフルは、バッフルに二つの仕事をさせています。スピーカーユニットを支える事と前後の音を分けることです。でも本当の仕事は後者です。ですからユニットは後ろに見えるアルミの角棒で支えています。それも振動の中心で有るマグネットを。

ユニットのフレームとバッフルの間は、空気が抜けない程度の結合です。その為余計な振動がバッフルに伝わらず、抜けの良い音が楽しめます。

アンプの電源も、デカップリングコンデンサーに、リップルフィルターを兼任させていません。この様な考えですと、適材適所をとてもやり易くなり、基本性能を上げる事が出来ます。しかし、コストのアップを避ける事は出来ません。結局はコストで縛られているメーカー製には出来ない贅沢と思っています。(合理的な設計とコストダウンを図る設計は、似て異なる物です。)

でも、自分で自分の為のアンプ(スピーカー)を作るなら許される事ですし、メーカー製では絶対に出来ない物を手に入れる事が出来るのですが。

陰の声)アース母線も一本の線に沢山の回路の信号を流すのですから、シンプルとは言えないですね。

                                                                                                         2005.9.3

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