芸術品 VS 工業製品

色々なオーディオ機器が出回っています。評論家達が誉めるのに良く使う言葉に、まるで芸術品の様だ。

もし、僕の作っている物をその様に言われたら、御勘弁願いたい。以前、ある有名な指揮者と一対一で話をした事が有りました。オーディオに素人で音楽に詳しい人に僕の作る物を聞いてもらいたくて、その指揮者の別荘に装置一式を持ち込んだ時の話です。(ちなみにその指揮者も、CDの音は駄目だねー。って笑っていました。)

『ピンキーさん(その時はこうは呼んでいません。本名です。笑)の仕事は結局はなんなのですか?』

『僕の仕事は職人です。と言うかそうなりたいと思っています。』

『は?』

『つまりですね、職人は同じ物を何度でも作れますけども、芸術家は一度だけ。』

って言って、いっけねー。先生芸術家だった。先生、変な顔をしていましたね。でもそれだから芸術は面白い。

僕の作るアンプに出来不出来が有ったら、買う人はたまった物じゃ有りません。何台作っても同じ物ではなくては。

ホンの少量生産の機械ですが、工業製品です。と言って僕は譲りません。芸術品なんて言われたら、もろにいやな顔をします。

それなのに、遥かに大量生産品なのに芸術品だって。

でも、当たり外れが有るから、ヤッパリ芸術品か。

                                                                                                                 2005.9.7

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