ニードルトーク

先日、馴染みのお客様が来店。僕がコーヒーを沸かしている間、アンプのボリュームを絞って、プレーヤーに耳を近づけています。

モーターの音でも聞いているのかなと思ったら、ニードルトークを聞いていました。僕にはこんなのは殆ど聞こえないのが当たり前に成って、15年以上に成ります。

オット、HPのネタを見つけてくれたお客様に感謝(笑)。

自分にとっては極普通の出来事は、中々気付き難いもの。

で、ニードルトークです。名前からお判りですね。昔からオーディオをしている方にはおなじみ、CDから入って来た方には馴染みの薄い言葉かもしれません。

要するにレコード針から直接聞こえるあの音です。夜中に音量を極端に絞ると、スピーカーの音よりも大きいぐらいにプレーヤーから聞こえる音です。レコードの溝で振られたカンチレバーや振動系が空気を震わせて聞こえる音と一般には理解されています。

でも、チョット待った。本当にカンチレバーだけであんなに大きな音が出ますか?  エレキギター(ソリッドボディ)を弾いて見ると、小さな音。あの弦が振動してもあの程度。カンチレバーはとても小さい。あれが振動したくらいで空気を震わせる事が出来ると思いますか?

実はあの音はカンチレバーの振動がピックアップやプレーヤーキャビを鳴かして出ている音なのです。

それに気付いたのは、今のプレーヤーキャビを作ってから。エーーと言うくらいに小さくなりました。天板の反り防止に補強を入れると更に・・・。

今のアームが出来たら殆ど聞こえなく。

ニードルトークが少なくなる程、スピーカーから聞こえる音は静かになり、付帯音がドンドン減って行き、今迄聞こえなかった楽器の音が聞こえてきます。

夜中に小音量で聞いている時に、ニードルトークが聞こえるなら対策が必要です。と言って、ゴムの様な物や、吸音材で対策をしますと、音がボケるのでご用心。

吸音材は単なる素材。雑音と音楽情報の区別は付きません。結果静かにはなるが、音楽もつまらなく成ります。何事も、対症療法は単なる一時しのぎにしか成りません。

2007.3.27

BACK