電源シャシの内部です。プリ用とは思えない、重装備です。アンプの心臓部です、手は抜けません。B回路はチョークインプット、2段チョークです。B電源にケミコンを使わず、フィルムコンだけでまとめていますので、リップルを減らすには必需品です。チョークによって音も変わります。不思議ですが変わります。良質なチョークが必要です。電源トランスの陰に隠れて見えませんが、タイマーとリレーのソケットが有ります。

整流管の立ち上がりを遅らせる為の物です。整流感には直熱管を使いますので、立ち上がりがとても早いです。対して信号ラインに使う真空管は傍熱管。立ち上がりに20〜30秒掛かります。

整流管の立ち上がりが早いのに、他の真空管が立ち上がっていませんので、電流は流れません。結果、途中に入っている抵抗での電圧ドロップを期待出来ません。

そうなると何故困るのでしょう?たとえばカップリングコンデンサー。動作中は100Vしか掛からないのに、立ち上がりの20〜30秒だけ整流直後の高電圧が掛かってしまうのです。確かに其の電圧に耐えるコンデンサーを使えば良いのですが、最近良質の高圧コンデンサーは少なく成っています。150V耐圧で高品質のコンデンサーはまだまだ選べます。つまりコンデンサーの選択範囲を広げる為の回路です。

整流管が直熱管ですからBの取り出しは、2,8番のどちらの足でもOKですが、人様に渡すアンプです。違う整流管を挿されてしまうかも知れません。その時傍熱管を挿されても良い様に、8番ピンから取り出します。

電源トランスはカットコアの特注品です。市販品に、こちらの要望するトランスが見当たりませんので仕方が有りません。決して特注品が最高とは思っていません。後々の修繕を考えたら、特注品の多用は避けたいです。

後、配線のバインドと発光ダイオードを取り付けて完成です。

2006.10.5

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