良質なMCトランスを手に入れても、インピーダンスの調整しだいで、其のトランスが生きも死にもします。逆に言いますと其の調整をしないでトランスの選択は難しいのです。

何の調整かと言いますと、トランスを受けるアンプのフォノ入力のインピーダンスです。一般のアンプの入力インピーダンスは47kΩが多いですが、多くのトランスは(昇圧比の大きい物ほど)47kΩでは低過ぎる場合が多いのが現状です。

私の選んだトランスも100kΩ受けでバランスが取れています。

真空管アンプの場合、フォノ入力インピーダンスは初段管のグリット抵抗値で決まります。この抵抗を色々と変えて見ましょう。音楽の表現力が変わってきます。一般には音が甘い場合は抵抗値を上げ、ハイ上がりで派手な場合は(これは殆ど無い)抵抗値を下げます。

この調整をして初めて、このトランスの音は○△□との意見を言って貰いたいものです。勿論カートリッジが替わればまた適正値は変わります。此れに気付いたら雑誌での試聴や試聴会(其処までの調整はしていない。)での結果なんか当てに出来ないのが判ってくる筈です。

2006.11.27

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