QRKを糸ドライブへ。

かなりやり応えの有る、仕事を請けました。QRKを糸ドライブに出来ないか?

このオーナー。20年前に新品でQRKを購入。当時は僕もQRKの愛用者。この時代、僕のお客様の殆どがQRKを愛用していたのです。

僕の知る限り、当時新品で購入出来るターンテーブルでは、此れが一番だったのですね。勿論ガラード等とも比べた結果です。

そのQRK。10数年前に製造中止。僕はショックを・・・・・。レコードで音楽を楽しむ場合、まず最初に必要なのはレコード盤を回転させる事。これをなくしては、アンプもスピーカーも無用の長物。

当時、アンプの製作がメインだった僕にとって、死活問題だったのです。数日間かなり落ち込んで・・・・・。

で、ピコン。作ればいいんだ(丁度その頃、旋盤とフライス盤を手配中)。アームを作りたくて工作機械の導入を考えていたのですが、アームは後で、ターンテーブルが先。

勿論、機械を導入すれば直ぐに作れる。なんて思ってはいません。機械を使う腕を磨かなくては・・。

最初は、アンプのシャシ作りから始めたのです。

腕を磨くと同時にQRKの改造を始めました。何処がQRKの音の秘密か?何処を手直しすれば更に良く成るか。

つまり、良い所はQRKをコピーし、拙い所は設計変更。

数年後にコピーモデルが完成。勿論かなりの設計変更でしたから、QRKを凌ぐモデルに成りました。

その状態が数年続き・・・・・・。

ひょんな仕事を請け、実験に僕のターンテーブルを糸ドライブで(その時にはサーボモーター)。

勿論アイドラードライブ(シンクロナスモーター)には敵わなかったのですが、僕の予想よりはるかに良い音。

昔使ったマイクロの8000番を、間違いなく凌いでいます。

8000番の音の悪さ。糸ドライブの所為ではなかったのか。

まあ、この頃に成ると、ターンテーブルの音の決めても結構判るように成っていましたし。

急遽、アイドラードライブを糸ドライブに改造。

友人のピアノの調律師に何度も試聴を頼んで・・・・・・。

出た結論。アイドラードライブはゴムの音がする。輪郭が甘く全体にぼける。特にピアノでハッキリと。

この時代に(8年前)にアイドラードライブと決別。糸ドライブの世界に入ったのです。

色々と進んできて、2年前に今のギヤボックスが完成。更に糸ドライブに磨きが掛かって・・・・。

で、このギヤボックス。市販のターンテーブルで、ターンテーブル外周に垂直面が有れば使えます。

QRKにも垂直面が有る。ターンテーブルだけ流用してギヤボックスでの糸ドライブ。こんな計画が始まりました。

2011.9.4

NEXT