組み込んだCRイコライザーです。左側がロールオフ、右側がターンオーバーに成っています。一般のアンプは其々を直接繋いでいますが、インピーダンスの面から定数の選択が難しく、音質の点からも好ましく有りません。僕のアンプのイコライザーはECC82の3段増幅です。つまり段間が2箇所出来ますので、其々を段間に挿入しています。

ターンオーバーの挿入ロスはかなりの物が有ります。その辺を見込んで真空管の動作点を選ばないと、素性の良いアンプを作るのは難しく成ります。

散々弄りました。もう20年以上付き合っていますが、これ以上のイコライザー回路は思いつきません。

ECC83はインピーダンスが高過ぎ、CRイコライザーを組むのはとても難しいです。NFを掛けてインピーダンスを下げる方法も有りますが、あくまでも対症療法。本来のインピーダンスが低い球には敵いません。

最近不必要に耐入力の大きなイコライザーアンプを見受けますが、カートリッジの出力を測った事は有るのでしょうか?耐入力を大きくすると微小信号に対しての動作が出来なくなります。この様なアンプは人を驚かす音は出せますが、演奏家の微妙なニュアンスを出すのは苦手なアンプにアンプに成り易いです。

大は小を兼ねませんし、小も大を兼ねません。適材適所(バランスの良い)の設計が大切なのです。

2006.11.6

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