500Hzクロスからの決別。
ウーハーとホーンとの関係からミッドバスを入れる。此処に気が付いたのはもう十年近く前。直ぐにユニットの調達もしました。
只、この改造は可也の大掛かり。チョイチョイと出来る改造では無かったのです。
まず、ネットワークの問題。500Hz以上なら簡単です。まあ350Hzもバイタホーンで経験済みなので問題なし。
250Hzは・・・・・・・。
この頃から鉄心(純鉄)入りのコイルを巻き始めました。此れならDCRを押さえてコイルを巻けます。
この辺の経緯はBLOGを見て下さい。
で、良く出来たフルレンジの音って知っていますよね。音の鮮度が兎に角高い。マルチシステムではこの音が出ない。
つまり僕は、マルチシステムにフルレンジの鮮度の高い音を注入したいのです。
で、この原因はネットワークって思い込んでいたんですね。
そりゃそうです。フルレンジはネットワークを通さないでアンプの出力がじかに・・・・・・・。
市販のチャンデバでは散々失敗しました。僕の作るネットワークの方がはるかに高音質を維持できるのです。
まあ、回路図を見れば駄目って判るんですけどね。
まあ、そんな時にチャンデバを作れ、と言うお客さんが現れたんです。散々断りました。良いチャンデバを作る方法が思いつかなかったんです。
それでもお客さんは作れって・・・・・・。
2〜3年ほって置きましたかね。で、ある日ピコン。
内容はBLOGに載ってます。
まあ、ある愛読者には『近くにタバコを買いに行くのにフェラリーで行く様なチャンデバ。』って褒められたんだかあきれ返られたんだか・・・。
まあ、そんなチャンデバ。お客さんだけに使わせる訳にも行かないんで、同じ物を僕用に。
此れで、フルレンジの鮮度の高い音が・・・・・・凄い期待。
ハイ、良く成りました。でも僕の期待程の効果は無かったんです。
まあ、市販のチャンデバとは丸っ切り違う世界は出せましたが・・。でも僕のネットワークとの差は・・・・。微妙・・・・・・・。
良いですよ、でも期待程でも無かった。
考えましたねー、散々。あのフルレンジの鮮度の高い音を出せないのはネットワークの所為ではない。
何故だろう・・・・・・・・・・?
で、いつものピコン。
500Hzって・・・・・・。
音楽で一番大切な周波数帯域。ギターの5番弦の開放が440Hz。本当に音楽の中心をつかさどっている帯域。
で、この帯域を二つの違ったユニットから出しても良いのか?
絶対に微妙に狂って出ている筈(イヤ絶対に狂っている)。
スピーカーメーカーが大型ホーンのシステムに500Hzクロスを使うのは常套手段だけど、此れを選んだのは音楽を考えてではなく、ユニットの都合だけ。
で、此処でハッ。タンノイ。
あいつはユニットの口径の関係なく1kHzでクロスしている。この辺の問題をタンノイは知っていたのかも・・?
兎に角音楽を考えたら500Hzクロスって絶対に考えられない周波数。
お互いのユニットが微妙にずれるんだから、鮮度が落ちても当然。
よく出来た(此処が大事)フルレンジはこの辺の周波数帯域が大の得意。
この辺にフルレンジの鮮度の高さが有るんじゃないか?
そう言えばコアキシャルも鮮度が無茶高い。クロスはタンノイよりもはるかに高く・・・・・・。
つまり、今のところの僕の結論。
『フルレンジの様な鮮度の高い音が欲しければ、500HzクロスはNG。』
益々ミッドバスの必要性が・・・・・。
2012.7.5