SRA−10S

この機種を知っている方は少ないと思います。本来はスタックスのコンデンサーヘッドホン用のアンプ。処がフォノイコライザー、フラットアンプを内蔵のれっきとしたプリアンプ。まだ世の中が普通の半導体アンプ時代にいち早くDCアンプを採用していました。

ある雑誌で開発目的が書いてあり、コリャー面白い。とにかく色付けを嫌っているいかにもスタックスらしい製品。

当時使っていた、それなりの管球プリを友人に売り払い、早速購入。当時はスタックス製品の生産量は極小量。入荷に一月以上掛かって、前のアンプは売っちゃったのでレコードが聞けない(汗)。

やっと入荷の知らせ。当時入り浸りだったオーディオ店で早速の試聴。馴染みの店員も興味津々。何しろ誰も聞いた事が無い。

音出し。余計な回路の無いアンプの凄さを身をもって体験。周りの店員さんも大騒ぎ。当時(30年前)の高級アンプに引けを取らない。と言うか優れている。当時の価格¥58,000。

僕も人が良いと言うか、お調子者と言うか、店員、暫く貸してくれと言う。何しろ発注してもすぐには手に入らない。僕のアンプが店頭に有る間、注残が10台は軽く越えたらしい(笑)。一週間は置いていなかった筈なので、かなりの売れ方。

何しろ、従来のアンプが単に古臭いアンプに感じてしまう。あれ以来、自分で作るアンプも付属回路は徹底的に排除。

このアンプも排除できる部分が有りました。それはバランスVR。此れをパスしたら、また一段とグレードアップ。

プリはDCアンプなのに、ナゼかパワーはダイナコと言う組み合わせ。お互いに巧く助け合いながらの音だったと、今なら言えるのですが。

でも、今市販されている半導体アンプ。此れに勝つ事の出来るアンプ。何台有るんだろう?

2007.5.5

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