流石に針先の写真はご勘弁。

針先形状は一般に3種類に分けられます。丸針、楕円針、ラインコンタクト針の三種類です。

この中で、一番使いやすいのが丸針。何しろ針先が球状ですから、どこから見ても同じ形。結果、アームへの取り付け位置に一番煩く有りません。内周のトラッキングエラーにも鈍感です。針先に0,5ミル針を選べば高域特性も遜色は有りません。

問題はモノラル用の0,65ミル針。確かに図太くエネルギッシュな音がします。でも、針先が太いと言う事は高い周波数はトレースできないと言う事(特に内周)。微妙な色彩感が出ませんし、微妙なニュアンスの再生も苦手です。オリジナルのモノラルレコードは溝が広いので0,5ミル針では溝の底を擦ってしまうとの意見の方もいますが、少なくとも僕の持っているモノラル盤(オリジナル)では、その様な経験は有りません。

結果モノラル盤もステレオカートリッジで愛聴しています。

一般に出回っている楕円針。極標準針で、カートリッジボディが同じで針先形状の違いを楽しめるカートリッジは限られていますので、気に入ったカートリッジが偶々楕円針だった、という場合が殆どでしょう。

使い方も丸針に準じてOKですが、オーバーハングの調整は丸針よりもシビアです。で、一番の問題点。本当に楕円針が理想の方向にカンチレバーへ取り付けられているとお思いですか?

何本かを過去に顕微鏡で見ましたが、勘弁してと言うメーカーも有りました。この辺が当たり外れの出る要因でしょうね。

で、一番の問題はラインコンタクト針(商品名バンデンフル、シバタ針、etc)。メーカーの説明ではカッター針に一番近い形状だから、歪みが一番少ないと謳っています。確かに違いないのですが、使い方を間違えると本当にカッター針。レコードを削ります。

まず、軸受けにガタのあるアームはNG。過去にやってしまった方多数。接触面が点ではなく線接触ですから、アームの傾きに敏感です。ロングアームでもアームの高さ1mmで音が変わります。つまり重量盤を掛ける時は・・・・・・・・・・・。

レコードは既に文化遺産。まず再生音よりもレコードを痛めない事の方を重視したいです。

注)バンデンフル(バンデンファル)にはTとUが有ってTの方が過激な形状をしています。特性は良いですけど、使い方にシビア。盤を痛める確立も高いです。

207.3.3

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