僕のアームのインサイドフォースキャンセラーです。余計な糸を切ってなく、アームベースの掃除をしているのがご愛嬌(汗)。まあ、このくらい掃除もせずに使っても全然問題の出ないアームと言う事をアピールしているとも言えたりして・・・・・・。
針圧に対しての調整機構は有りません。アームも基本的にSPU専用と思っていましたし。
僕は元々はインサイドフォースキャンセラー(ウーン、長い。以後はICで。)不要論者でした。ナゼかと言いますと、市販アームでICの調整で音が変わった経験が無い。理論的には必要なのは判っているが、音溝の状態はメチャクチャなので合わせ様が無い。超軽針圧カートリッジなどに使うと百害有って一利無し。チョットでも掛けると音がビビッてしまう。等の経験をしてしまったピンキー君は、使うとしても精神衛生上程度。間違ってもメーカー指定までは掛けません。2/3以下ですね。
と言うわけで、このアーム、発売したてはICは付いていませんでした。
何本目かのお客様。手が不器用なのでアームリフターを付けてくれとの要望。メーカー純正パーツで使えそうなのを選んで取り付け(オーダーメイドの面目躍如、笑)。無事に納品。
音は気に入ってもらえたのですが、又もやのクレーム。最外周一週目が聞けない。要は僕達の様に手で下ろす時は、手加減をするので問題が出ないのだが、リフターで下ろすので、降りた瞬間インサイドフォースが掛かり、アームは内周に入ろうとする。結果、一溝飛び越してからトレース開始。で、曲の最初が聞けない。
此れには、困りましたね。ICを付けりゃ解決するのは判っていてもメンドイ。何とか練習でと言っても聞き入れてくれない。
音に関係の無い部分でコストアップになるのが大嫌いな(単に面倒がっているだけの声も・・)ピンキー君。シブシブ作り始めました。
メーカー製はどのくらいの力で引いているのかなー?SMEの寸法とウェイト重量を測り、モーメントの計算を(ウーン、中学校以来だなー、よく忘れないでいたなー)。SMEの半分のモーメントで引く事に。
取り合えず完成。ウェイトの重量合わせには梃子摺った。
まさか、実験もせずにお客様の所へ持っていくほど図々しくないピンキー君。店頭のプレーヤーで実験開始。
別にレコードも選ばず極不通の試聴。ワザと不器用に針を降ろす(これが意外と難しい)。他の仕事をしながらの試聴・・・・・・・・・・・・。ヘッ、何か違う。そんなバカな。単なる気の所為・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・。
ヤハリ違う。ウエイトを外したり、付けて見たり・・・・・・・・・・・。違う、付けた方が歪み感が少ない。付帯音も少ない。え〜〜〜〜〜、そんな〜〜〜〜〜〜〜〜。初めての経験。
にわかには信じられないピンキー君。もう一台ある貸し出し用プレーヤー。此れにもICを取り付け又もや試聴。違うプレーヤーでも全く同じ結果が。
もうこうなると、頼まれたグレード(溝飛び防止)では気が済みません。最適値はいくつなんだ?
ウエイトを何種類も作る。ウェイトを替えると明らかに再生音にも違いが。一番良い結果が出たウェイトは見つけたが、そこで喜んでいる様では仕事とは言えません。マニアは自分の処で良い結果が出ればそれでおしまいだが、僕の場合はお客様の所でどうなるかが一番の問題。
馴染みの常連にIC一式を貸し出し。勿論ウェイトも何種類も。僕の処で一番良い結果が出たのはワザと教えない。教えてしまうと先入観を持ってしまうので正しい答えが出ない(商売としては先入観を持たせた方がしやすい、笑)。
彼の答えも結局は僕と一緒。やっと本決まり。早速最初のお客様に納品。溝飛びが収まれば良いと思っていたのに音まで良くなったのだから、お客様大喜び。でもその後、『俺に感謝しなければいけないな。』とも言われましたけど。
で、此処までが前振り(長ーーーーーーーい)。
本題です。今使っているカートリッジはメデューサ。適正針圧1,8g。前の経験からICのウェイトは調整しなければ(軽い方向へ)いけないと踏んでいた。でも再生音を聞く限り掛け過ぎの音ではない。手持ちのウェイトで確認。ヤハリ現状でOK。
僕はハハ〜〜〜ンと気が付いた。ナゼだと思います。
答えは針先形状。SPUは丸針。メデューサは楕円針。つまり溝を引っかく強さが違う。楕円針の方が大きい。結果ICは多く掛けなければバランスは取れない。
昔、何社かのメーカー製アームはICの目盛りを楕円と丸針では変えていました。勿論楕円の方が大きく掛けます。
と言う事は、楕円のSPUを使う時はICのウェイトも調整しなきゃ・・。と気付いたけどメンドイ・・・・・・・・・。
2007.4.6