プラッターとキャビとの隙間を何とかしたい。
新しいプラッター。僕の予想外の音質アップをもたらした。要は音のピントが合った。今迄のプラッターは機械強度が足りないよ。って言われてしまった音の変化。
僕としてはSN比のアップを目指していたので完全に想定外。
今迄のプラッターだってアルミ丸棒からの削り出し。一般市販のキャスティングと比べたら強度も高く鳴き方も綺麗。
でも、不足だった。
参ったなー。音は良く成ったが見た目・・・・・・・・・。
プラッターが空中に浮かんでいる。これさえ気にしなければ此の侭で良いんだけど・・・・・・・。
折角のプラッター。見た目も良くしたい。隙間を無くすにはキャビ上面のアルミプレートを厚くすれば良い。
此処で問題なのは、単にアルミを厚くするとどうしても金属の響きが出易い。それを抑えるには木部の量(厚み)も大きくしないと駄目(過去の経験でしっかりと勉強しています)。
と言う事で、木部の厚みを80mmで設計。今迄のキャビで使っていた鬼目ネジを使うのを止め、全てのボルトを上下貫通でアルミ板でのサンドイッチ構造へ変更。
過去に色々なキャビを作り、このサンドイッチ構造が理想に近いと感じている。
こうすると金属の鳴きを木部が巧くダンプするのです。
80mmキャビの上に乗った30mmプレート。
プレート中心には軸受けを組み込む為のくり抜き。円形で良いんだけど僕の機械では無理(高価な刃を買えば出来る)。
と言う訳で4角です。音質的には差は出ない筈(あくまでも筈、オーディオの世界は怖い)。
30mmプレートには下側からタップを立てます。上面にネジを出したくないですもんね。
で、裏側。
中心部は10mmプレート。左側は前後に走る足(ティップトゥー)を取り付けるアルミバーに座ぐりを入れ30mmプレートを締め上げます。
赤矢印がボルトの座ぐり。緑矢印はティップトゥーを取り付けるM4のネジ穴。
写真で判る様に、30mmプレートは10mmボルト6本と8mmボルト4本の計10本のキャップスクリューで80mm厚の木部をサンドイッチ。
今迄のキャビ(木部の厚さが50mm)の場合は6mmのボルトでしたが今回ボルト長さが30mm増えます。
長さが増えるとボルトの強度は落ちる。その対策の為のボルト径アップ。
機械屋が設計するとこう成るんですネ。
無茶苦茶苦労してラックに乗せたプレーヤー。
勿論乗せる迄ターンテーブルは取り付けません。少しでも軽い状態で乗せます。
右側の足取り付けバーは仮止め。
残りはアームの取り付け。
アーム取り付け完了。
本当なら此方も取り付けネジの頭を見えなくしたかった。でも板厚が10mm。雌ネジを切るには薄い。
仕方なくボルトの頭が見えてます。
で、ボルトをチョイ知ってる方なら、キャップスクリューを止めてボタンキャップにすればもうチョイかっこ良かったのに、って思う筈。
でもねーーーーーー。
太さ、長さ共に違うけど手前がボタンキャップ。頭が小さくて目立たない。奥が標準のキャップスクリュー。頭がでかい。
で、今回の一番の問題点。写真で気付きました?
ボタンキャップは全ネジ。要は長さ全てにネジが切って有る。
対してキャップスクリューは先っちょの必要部分だけにネジが切って有る。
もう判りましたよね。ボタンキャップは引っ張り強度が低いのです。
今回の様に110mmもの長さのボルト。全ネジは使えません。
と言う訳でカッコは犠牲にし性能を取ったんです。
今回のプレーヤー。キャビネットを作り直しただけで、他は一切手を付けていません。
正直な所、従来のキャビだって一般市販品(高級機)と比べられたって強度で負けない自信は有ったんです。
このキャビはプラッター下の隙間を無くしたい。と言うのが一番の目的。
音の変化に対してはそんなに期待していなかったんです。
で、結果は・・・・・・・・・・・・。
レコードって凄い。
2014.5.30