針圧について考える

単純に考えますと、針圧は軽ければ軽いほどレコードを傷めない。こう考えている方が今でも居るようです。

針圧はそんなに単純なものでは有りません。

レコード盤面の溝の中に、スタイラスをキッチリ押し付けていなければ成りません。万が一、針圧不足で溝の中をスタイラスが暴れたら・・・・・・・・・。想像できますよね、チョットヤバイって。

今までの経験で針圧を掛けすぎて、レコード盤を駄目にした事は無いですが、(と言っても常識範囲。具体適にですと5g以内)軽すぎてビビリ、駄目にしたレコードは沢山有ります。

カートリッジの適正針圧は、カートリッジによって様々ですが、よく観察しますと、指定針圧に比例して振動系が軽くなっているとは思えません。軽針圧を指定しているカートリッジは単にゴムダンパーやピアノ線が柔らかいだけのようです。問題は磁気回路の中心点を合わせる事と、溝の動きにスタイラスが追従出来る様機械的バイアスを掛ける事ですが、このバイアスが振動系の質量に対して十分な値を持っていませんと、スタイラスと溝との間の密着が危なくなります。つまりビビリ音の発生です。これを行なったレコードは、針圧を掛けすぎたレコードよりも、大きなダメージを受けます。

軽すぎる針圧は決してレコードを守りません。かえって傷めてしまいます。

もうレコードの発売は有り得ない世の中になってきました。貴重な人類の遺産です。音はどんな音を出そうともその人の自由ですが、レコードを傷める恐れのある高級(高額な)プレーヤーを見ますと、怒りが込み上げます。

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