ST標準キャブのスライドピストン(スロットルバルブでは有りません。負圧キャブはバタフライバルブがスロットルバルブに成ります。)。

逆さまにしてエンジン側からの写真です。中心にニョッキリと立っているのがジェットニードル。問題はその手前の穴です。

この穴はベンチュリー部の負圧をピストン上部へと繋ぐ大事な穴。此処が負圧に成るとスライドピストンが上昇します。

今一番の不満は、スロットルの操作に対するエンジンの反応の鈍さ。完全に実用車レベル。

排気対策で混合気の絶対量を絞っているのには気付いて来ました。で、パイロット系はかなりの増量にリセッティング。アイドル付近や、ほんのチョイ開けた時のレスポンスは良く成って来ました。でも、其処から開けるとボーーーーー・・・。車体が前に進みません。

エッ、ひょっとして・・・・・・?

負圧キャブはバタフライバルブが開いてもスライドピストンが上昇するのにはタイムラグが有ります。バタフライバルブが開く、吸入量が増える。ベンチュリー部(スライドピストンの下の部分)の流速が増える。結果負圧に成る。その負圧がスライドピストンの穴を伝ってピストン上部の部屋へ、でやっとピストン上昇。

此処で、一番タイムラグを起こし易いのはスライドピストンの穴。とても小さい。此処も対策で必要以上に絞っているのでは?

で、良く此処でピストンの穴を広げると同時に、ピストンを押し下げているスプリングをカットする方がいます。この場合はピストン上昇のスピードも確かに上がりますが負圧とのバランスポイントも変わって来ます。結果、同じ量のスロットルバルブ(バタフライバルブ)が開いた状態で、スライドピストンの位置は上に成りますので、その辺の考慮が必要です。

ピストンの穴を広げるだけですと、単に上昇速度が速くなるだけで、バランスポイントは変わりません。で、穴を大きくし過ぎると上昇速度が速くなり過ぎて・・・・・・・・?

この心配は要りません。スロットルバルブ(バタフライバルブ)の動きより早く動く事は無いのですから。つまり右手の動きに従順なキャブに近づきます。

思いっ切り書いちゃいますと、今のセッティングは素人好み。スロットルを低回転でガバ開けをしてもストールはしません。でも、後輪にトルクの掛かり方を感じながらスロットルの操作が出来る人(好きな人)にはやってられないセッティングです。

つまり、この穴を大きくするとスロットルに対するツキは良く成りますが、スロットル操作のミスを助けてくれなく成ります。

とりあえず、写真の穴は1,7φ。元々は1,4φぐらい(忘れた、汗)でした。試乗での結果は大成功。もっと大きくしても良いよってエンジンは言っていますので、この後2,0φに拡大します。

で、此処で、また問題点。今迄パイロット系(アイドルポートとスローポート)での吐出し量を増やしてきました。今回メイン系からの供給が増えたので、パイロット系からは供給過多に成った様です。負圧穴を大きくすると同時にパイロットジェットを一段絞ったのですがプラグの焼けは変わりません。負圧穴を2,0φにしたらパイロットジェットは2段ぐらい絞れそうですね。(アーー、またやり直しか・・・。)

2007.7.9

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