ウェーブディスク考。

ウェーブディスク。通称花びらディスク。

僕の知る範囲では、最初に開発したのはブレーキング社。このディスクの目的は軽量化と泥の排除だったのです。

最初に採用したのはKTMのエンデューロマシンでした。初めて見た時はビックリ。変な形って思ったのを思い出します。

こんなので効くのかな?此れが最初の印象でした。

でも、泥だらけのエンデューロマシンには必要だったのでしょうね。バネ下重量を下げたい要求も、オンロードマシンよりも厳しいはずですし。

ストッピングパワーが強過ぎるのは厳禁ですし、泥の影響を受け難い(泥はけの良い形状)と言うのも重要な筈です。

話は飛んじゃいますが、昔乗っていたグッチ。台風の中を帰って来た事が有ります。バイクは泥だらけ。

途中からブレーキが殆ど効かなくなったんですね。なんかヌルヌルした感じで、パッドがディスクに喰いつかないんです。深夜と言うか時間的には早朝にヤットの事で帰宅。

翌日バイクを見たら・・・・・・・・。

ディスクの穴の中が泥でビッシリ。ディスク面にも泥を引き摺った後が。

つまり泥がディスクとパッドとの間に入り込み、潤滑材に成っていたんです。この経験から、穴あきディスクが泥に弱いのは知っていました。

その後、ブレーキング社はウェーブディスクをオンロードにも展開。

今に至っている訳です。

僕の考えているウェーブディスクの欠点(欠陥かも?)。勿論設計で何とか成るかな?とも思ってはいるのですが・・・。

全体像。最初はカッコいいとは思わなかったのですが、見慣れてくると・・・・。

で、僕の感じている欠陥部分。

矢印の部分。一番力の掛かる所です。ディスクは内側のプレート(写真上、アルミの黒い部分)がハブと接続されています。

パッドで締め付けられるのは、外周のディスク部分(光っているステンの板)。

この内側プレートと外周のディスクを結合しているのが、写真中央のフローティングピン。

このピンに制動力の全てが掛かるんですね。

このピンの周りの肉(矢印の部分)。少な過ぎます。

インナーもチョット強度不足じゃ・・・・。

ピンの部分は、インナーもディスクもシッカリと肉を確保。長穴はピンから遠い所に開けたら・・・・。

今回、このディスクに酷評を与えたテストライダーのマシン。

リッターバイクのモンスター。

車重の軽い(パワーも無い)STなら、何とか成るのかな?

間違いなく、ブレーキング時のフィーリングはベルリンガーが上と思っています。

でも、重い。

さて、僕のSTで、このディスク、吉と出るか凶と出るか・・。

2010.10.9

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