アウターチューブ加工。
キャリパーサポートの位置出しをしていて気付きました。
ST。確かにフォーク間の距離は広い。2号(BM)よりも広い。だからキャリパーサポートを作るのは楽勝。
甘かったー。
一般のフォーク。キャリパー取り付けのボス。アウターチューブの略中心。
STの場合。内側いっぱいにオフセット。つまりキャリパーに関しては、フォークピッチが狭いのと同じ。
結果。ディスクとボスとのクリアランスが狭く、此処にナットを挟む事は勿論、内側からボルトを入れる事も不可能。
なんせ、ディスク取り付けボルトをボタンにしないとゴチンコ・・・・。のスペースです。
さてどうしましょう?
純正キャリパーは片押し、このボスの裏側は厚みの薄い鉄板だったのです。フローティングピンも取り付けボルトも有りません。ディスクの位置ももうちょい内側。
ハイ。諦めませんよー。このボス、二個の表側平面度、ピッタシ。つまりこちら側(表側)にキャリパーをつけても平行度には問題なし。
でも、どうやって・・・・・・?
此処へ入る、純正ボルトは10mmの細めピッチ。下穴を測ったら10.2mm。
ボスの肉厚と奥行きは何とか行ける。
ボスの強度を考えると、下穴は大きくしたくない。で、選んだのが12mmの細目ねじ。P=1.5。
元の穴にあてがうと、ネジさえ切れば此の侭入って行きそう。
此れが12mmP1.5のボルト。標準ピッチは1.75です。
細めピッチは、雌ネジ部の肉厚が薄い場合や、緩み難くしたい場合などに採用。今回の使用にはピッタリです。
で、此処からが問題。物を作る人なら判りますよね。
ゼロからは、結構複雑な物でも製作って何とか出来ます。
難しいのが、他人の作った物の二次加工。
フォークのアウターチューブ。断面が四角だったらまだしも、鋳物で真円度もサッパリ判らない代物。キャリパー取り付けボスだって、何処からの寸法を基準にしていいものやら・・。
第一、二個の穴のピッチ、位置、垂直度。絶対に狂いが許されないんですね。
こんな時に生きるのが経験。方法は頭の中には有りますが、成功する保障は無し。
失敗すると、アウターチューブはパー。
結構、この様なプレッシャー、楽しんでいます。
2010.10.20