スピゴットの材質

本職の合間を縫って、スピゴットの製作。無事完成。

で、ノーマルのスピゴットと僕の作ったスピゴット。

写真でどちらが作った方か判りますよね。勿論きれいな右側が僕の作ったスピゴット。

今回手に入れた29φのCRキャブ。長期在庫の未使用品。

フロート室の中等を確認しました。間違いなく未使用品。それにしてはスピゴットの表面が汚い。

Oリングの取り付け部は、若干の腐食。

僕の作った方は、これから使用を続けてもこんなには成りません。

実は、アルミの材質が違うんです。

元々のスピゴットは、まず間違いなく5056の丸棒からの削りだし。僕のは6061。

5056は一般に手に入り易く、切削性も悪くない。まあ、アルミの丸棒って言ったら、5056を指していると思って間違い有りません。

対して6061。一般の材料屋さんではストックはまず無いです。

アルミと一口に言っても、純アルミと言うのはまず使いません。機械強度が殆ど無いのです。

何かを混ぜて、合金として使うのがアルミの場合非常に多いのです(他の金属も純と言うのはまず使いませんね)。

で、この5056と6061の違い。まず機械強度が違います。6061の方が硬くて粘りも有ります。

僕はキャリパーサポートも6061(6063)で作っています。

要はキャリパーサポートにも使える強度を持っているのですね。

でも、スピゴットには、そんな機械強度は要りません。

今回6061を使ったのは耐食性の違いです。5051はアルマイトを掛けないと、野外での使用は難しいのです。

対して6061。表面処理をしない侭で、雨中走行を繰り返しても錆の発生は有りません。

2号やSTにも6061は多用していますが、一切の手入れ不要なんです。

その辺を知らないでハタカブに使った5056は、錆がいたる所に発生しています。

じゃあ、ステンレス・・。

此れも問題なのです。ステンとアルミキャストって凄く相性が悪く、電食を起こして、アルミ(この場合キャブ本体)の腐食を誘発します。

また結構キャブって温度が上がります。キャブと熱膨張の違う金属は使いたくないんですね。

そんな理由から、6061が僕にとってはベターな選択なんです。

2011.3.26

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