愛聴盤 クラシック偏
愛聴盤をHPに載せるのは、非常に怖い事と思っています。自分のセンスを全て曝け出してしまうのですから、でも逆にこれが判らないと、僕がナゼにオーディオにはまり込んでいるかを、理解できないかも知れません。恥ずかしながらの気分です。僕は曲目よりも演奏家を選んで、レコードを買うことが殆どです。嫌いな曲が、ある演奏家の場合は大好きに成ったり、好きな曲も、ある演奏家の演奏では大嫌いに成ったりします。ですから、普通クラシックは作曲家別にレコードを整理されている方が多いようですが、僕は演奏家で整理をしています。
と言うわけで、演奏家での紹介に成りますので、ご了承下さい。
ジネット・ヌヴー(Ginette neveu)
天才少女の名を欲しいままにした人です。惜しくも30歳の若さでこの世を去りました。ですから残っているレコードはとても少ないです。
ヌヴーの芸術 東芝EMI シベリウス、ブラームスコンチェルト、その他の小品集です。少女がナゼこの様な演奏が出来たのか・・。天才と言ってしまえば其れまでですが。
ブラームスコンチェルト 1948年 録音 この演奏は上記の組み物に入っている同曲よりも、僕は好きです。
もしも、ヌヴーの演奏でフランクのソナタが聞けましたら・・・・・・。演奏記録には有るのですが、録音として残されていません。レコーディングの予定は有ったようですが、かなわぬまま旅立ってしまいました。
アドルフ・ブッシュ(Adolf Busch)
彼の四重奏団はどれもお勧めですが、僕のお気に入りはシューベルト 14番ニ単調 死と乙女にとどめを刺します。えっ、暗いですか。(笑)
パブロ・カザルス(Pablo Casals)
バッハの無伴奏を挙げる方が多いと思いますが、僕はブラームスのSextetが大好きです。1番変ロ長調、他のメンバーもすごいです。アイザック・スターン、アレクサンダー・シュナイダー、ミルトン・カテイムス、ミルトン・トーマス、マドレイヌ・フォリー、それにカザルス。
極論を言いますと、この上記三人がきちっと聞こえれば、僕の装置は合格です。でもこの三人が好きな方なら難しさは判りますよね。
ウィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwangler)
モーツアルト、ピアノコンチェルト 20番 ニ短調 ピアノはイヴォンヌ・ルフェビュール(Yvonne Lefebure)。女性ピアニストですが、この他の演奏は聞いたことが有りません。一般には殆ど無名です。この演奏を聞きますと、フルベンの別の面(優しさ)に出会えます。彼女のピアノを優しく包むようなオケを聞きますと、これがあのフルベンかと・・。
ドヴォルザーク、交響曲9番、新世界より 彼は生涯この曲を数回しか演奏していません。彼の感覚では、こんな女々しい曲は演奏したくないのだそうです。その彼の演奏ですからどんな演奏かは想像がつくでしょう。この演奏をドヴォルザークが聞いたら・・・・?。こんな感覚で聞いています。
ブレームス交響曲1番 ベルリンフィルを1952年(僕の生まれた年です。)10月2日に振っています。晩年の指揮ですが、衰えは微塵も感じられません。彼の人間としての凄さを感じる演奏です。
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud)
ブラームス、ヴァイオリンコンチェルト。指揮ジャン・フルネ(jean Fournet) これはティボーファンには、好まれないかも知れません。いつもの甘美な響きは影を潜め、グイグイと迫ってくる演奏です。(僕は体調が良い時でないと、この演奏は聞けません。)この曲だけはヌヴーよりこちらに僕は軍配を上げます。
エルナ・ザック(Erna Sack)
エルナ・ザックの遺産 キング K17C 9416 僕は彼女ほどのハイトーンを知りません。上手いを通り越してすごいです。人の声がこんなにすごいのを聞いた事は有りません。
エリー・アメリング(Elly Ameling)
アンナ マグラレータ バッハの音楽手帳。 バッハの奥さん(三度目と聞いています。笑)が家庭音楽会用に書かれたものを、レオンハルトのチェンバロ、リンデのバリトンでの楽しい音楽会です。
ハンス・マルティン・リンデ(Hans-Martin Linde)
先のバリトンのリンデと同じ人です。こちらのブロックフルーテが本職です。素朴な味わいの人ですが、僕のお勧めは涙のパバーヌ(ブロックフルーテとリュートの魅力)テイチクULS-3136。その人の本質は声でも楽器でも変わらないものですね。
グレン・グールド(Glenn Gould)
ライブ演奏は初期で止めてしまい、レコーディングだけで音楽を表現しようとした天才です。ゴールドベルク変奏曲は2回録音していますが、僕は後の録音の演奏の方が好きです。こんなに寂しくピアノが弾けるものか只々聞かせます。
エリカ・モリーニ(Erica Morini)
小品集です。その人の上手さや、音楽性は小品の方が出やすいと思っています。女性とは思えない力強さと、女性ならではの繊細さを併せ持った音色は、彼女だけの世界です。
フランクのソナタとモーツアルトの二曲が入っています。小品だけで無く、この様な曲も見事にこなします。モーツアルトは、彼女らしい解釈で、力強く繊細な演奏です。
エミール・ギレリス(Emil Gilels)
ブラームス ピアノコンチェルト2番 大変有名な曲で、沢山のピアニストが演奏をしていますが、僕はこの演奏が一番好きです。ピアノの気品の高さ、荘厳さは他の演奏家と一線を画していると言っても言い過ぎではないと思っています。
ミッシャ・エルマン(Mischa Elman)
エルマン愛奏曲集 エルマントーンと言われる彼独特の甘美な音色は、絶対に他の演奏家では聞けない演奏です。段々と、この様な個性的な演奏家が少なくなっている、と感じているのは私だけでしょうか?
オットー・クレンペラー(Otto Klemperer)
ベートーベン交響曲 七番 イ長調 フィルハーモニアを振った1960年の録音です。フルベンとは対照的に非常に感情を表に見せない演奏ですが、落ち着いた情緒豊かな演奏です。
ニコラス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)
バッハのブランデンブルグは非常に沢山の演奏家の録音が残されていますが、僕の好きなのはアーノンクール盤です。優雅で落ち着いた演奏が心を落ち着かせます。