シーメンス、コアキシャル

僕のオーディオライフで一番長く付き合っていたのがこのスピーカーです。何の変哲も無いコーンユニットを同軸に取り付けただけの、あまり冴えない外観のユニットです。

でも其の能力は素晴らしく、殆どの大型スピーカーが霞んで見えます。只周りの条件に、もの凄く正直な為、誤解されてもいる可哀想なスピーカーです。

早い話が、このユニットが鳴らなければ、アンプやプレーヤーを疑うべきです。このユニットに繋がれたアンプは殆どが馬脚を現します。普通のスピーカーでは、ばれないアンプの欠点(欠陥)を一瞬で見抜いてしまう、恐ろしい(素晴らしい)スピーカーです。

でも、所詮メーカー製。僅かの所でのコストダウンで、其の能力がスポイルされています。でも、ユーザーの愛情で何とでも成る所ですので安心です。

一番の欠点はネットワーク。ウーハーには何も入っていず、インピーダンスの上昇に任せているだけです。ツィーターも定数は其の侭で良いのですが使っているパーツが粗悪品です。

このパーツをもっと良品の物に替えましょう。ツィーターだけなのに、低域まで変わって来ます。

もう一つ、ウーハーにシリーズにコイルを入れるのです。勿論良質の空芯コイルが必用です。定数は0,5mH。其の音を聞いたら、もう絶対に外せ無く成ります(注1)。

フレームの強度不足も気に成っています。マグネットを直接支持する事で解決します。(写真はこちら。)

世の中では、アルニコマグネットの物が珍重されているようですが、僕の処で鳴き比べをした時は差が出ませんでした。古いユニットでアルニコですと減磁の恐れも有りますし、一考を要すると思います。骨董品では無いのですから、古い物を珍重しすぎる風潮に不安を感じます。まあ、其れを手に入れて本人は幸せなんですから、余計なお節介なのですけれど。(笑)

 

オイロダインを買っても、ネットワークもフレームにも手を加えずに其の侭で鳴らすより、其の金額(オイロダインの購入額)をアンププレーヤーに廻し、コアキシャルをきちっと鳴らした方が、数倍良質な音楽を手にする事が出来ます。

それに気付かずに、オイロダインを持っているだけの人の何と多い事か・・。所詮音楽を聞く為の道具に過ぎないのに。

何を持っているかに価値を見出しているうちは、良質な音楽を手に入れるには時間が掛かりそうです。

 

僕のオイロダインは、良くなる度に、バランス、音色がコアキシャルに似て来ます。オイロダインでコアキシャルの鳴り方を出そうとしているのかも知れません。

2006.6.25

追記です。

注1、の件です。コイルを入れた方が良い結果が出るのには、アンプも考えないといけない事が判りました。

僕のアンプの様なノンNFアンプでしたら、良い結果が出るのですが、NFを多量に掛けてあるアンプは上手く行かないことが多いのです。

この辺も考慮に入れて実験して見て下さい。

2011.5.12

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