約、1時間の硬化時間(気温でかなり変わります)で、エポキシの硬化完了。この時大事なのが完全硬化をさせない事。

完全に固まってしまうと、巻枠についた余分なエポキシを取るのに一苦労。エポキシを混ぜたテフロンの板にも結構くっ付いてしまうのです。

ですから、この作業の時には人の出入りは厳禁。途中で休めませんし、長い休息も駄目なんですね。

ですから、僕の所へ遊びに来るのは大歓迎ですが、前もって言って下さい。と言うのはこの様な作業が多いからなのです。

略固まったエポキシの上に、ポリプロピレンのフィルムを巻きます。

綺麗に巻くのには必須なんですね。

コイル。要はらせん状に巻かれますよね。で、問題は上と下の螺旋の向き。逆です。

つまり下のらせん状の上に逆螺旋ですから、線材は下の螺旋を乗り越えるのです。この時テンションが掛かっていますから、乗り越える時、螺旋の谷へ落ち様とするのです。

谷へ落ちたらテンションで上には上がりません。そう成るとどうしても線材の間に隙間が出来てしまうのですね。

その隙間を先の特殊工具で移動しようとしても、谷に落ちていますから、移動出来ないのです。

つまり隙間=幅の広い谷。

其の侭、次を巻き始めますと、広い谷ですから益々落ちようとします。更に広い谷。こんな具合でドンドン広い谷が出来て、遂にはガラ巻き状態。

ポリプロピレンは非常に伸び辛い樹脂です。薄くても強度が有るので谷を無くしてしまうのです。

この上に巻けば、谷に落ちずに綺麗なコイルが出来るのです。

此れを、片道巻き上げる度に行います。

今回は1mH。過去のデーターで5往復巻けば略OK。若干大きくなりますので、巻き上がったら実測しながらほどくのです。

無事に巻き上がりました。でも此の侭巻枠から外しますと、ほどける危険が・・・・(線材が細い場合は平気です)。

端面にエポキシを塗ります。

巻き始めに塗ったエポキシは短時間硬化型。塗った状態で垂れる恐れの無い物です。機械強度も其れ程は要りませんし。

基本的にエポキシは硬化時間の長い物ほど、硬化後の強度は上。

此処には硬化時間の長い樹脂を使います。

勿論、両側にタップリと擦り込みます。

両側にエポキシを刷り込んだら、もう一度巻枠の両側を取り付け、旋盤へ・・・。

硬化を待つのですが、此れも完全硬化をさせるとオーマイゴット。

両側の板に付いてしまって、枠を外すのに大苦労。

程よく硬化後にハンマーでコン。気温と時間の関係を知っていないと、難しい作業です。

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