僕の使っているドライブアンプの信号ラインの回路です。

マズ、ドライブアンプを説明しなければいけませんね。早い話がパワーアンプのドライブ段だけを独立させた物です。何故分けなければいけないかを説明します。

パワー段とドライブ段の電源の独立。パワー段は電流変動の大きな回路です。どんなにレギュレーションの良い電源を使っても独立には叶いません。つまりパワー段によりドライブ段が振られるのを防ぎたいのです。また電源を通してフィードバックが掛かってしまうのも見逃せません。

このアンプを作ったころには、まだマルチアンプはやっていませんでしたが、近い将来やる事は決めていました。普通のパワーアンプですと其の台数がバカに成りませんが、この構成ですとパワー段だけを必用CHそろえればOKです。

また、変ったパワー管を使っての実験にも、パワー段だけを作ればいいので、実験がしやすいですし、音質チェックにも完全にパワー管だけの音質が判り易いです。

長年の経験から、パワー管に何を選ぶかよりも、ドライブ段の方が重要だと言う事も判ってきました。

また、各機器間の配線は短い方が良いですが、全てを短くするのは物理的に不可能です。ではどこを伸ばすのが音質に一番影響が出ないのか?

このドライブアンプとパワー管だけのパーワーアンプの間が、インピーダンス、信号レベル共に長く引いても一番影響が少ないのは想像できます。

僕はVT25、二段構成で作りましたが、その辺は好みで決めて下さい。完全コピーなんか、自作マニアを自称している方なら恥ずかしくて出来ませんよね。(笑)

その様な方が、このHPを覗いていると思って書いていますので、定数は書いて有りません。皆其々の考え方があり、其の考えで実験。其れが楽しいのですからお節介は控えます。

入力抵抗が100kΩに成っているのは、僕のアンプは其れに統一しているからです。前段のアンプは100kΩが負荷になる事を前提に作っています。まあ、僕なりの規格の統一ですね。(笑)

T1は1:1を使っています、これは1:1がトランスとしての性能が一番出しやすいからで他意は有りません。好みで選んで下さい。

R1はT1に何を使うかよって決まります。詳しくはこちら

R4は初段と2段目では自ずと違ってきます。扱う信号レベルが違うのですから当たり前です。要は次の段がクリップする以上の動作点を選んでも無駄な事ですから、その辺を配慮して選びましょう。

T2は4:1を使っています。長い出力ケーブルを使っても、影響の出にくいインピーダンスにする為です。このトランスはパワー段の入力トランスとペアで考えなければなりません。入力トランスはパワー管によって変ります。回路の定数は其処だけでなく、全体を見渡して決めるべきです。

デカップリング回路が2段に成っていますが、これはドライブ段とパワー段を分けたのと同じ理由です。嘘と思ったら、実験してみてください。明らかに出てくる音が変ります。もっとも能率の低い鳴らしやすいスピーカーでは出にくいかも知れません。

このアンプが出来上がった当時は、確かに以前よりは良くなりました。でも期待していた音には、程遠い音でした。(レコードはこの程度なのかな?)

その後ターンテーブルが変り、今回のパワーアンプが出来た事によって、やっと本領を発揮始めたようです。出来上がってから、5年以上の歳月が経っています。

                                                                  2006.01.06

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