ヒーターアース そのU

昨日書きました、ヒーターアース。真空管が1本なら問題なく2本だと・・・・。

その理由はこちらです。

上の回路(配線引き回し)ですと、二本の真空管から夫々にシャシアースを・・。

この場合、二本の真空管のヒーター抵抗が揃っているなら問題有りません。でも揃っていると考える方が甘いです(笑)。

どの様な物にも公差が。そう成るとヒーター中点の電位に差が出るのですね。

その差の電圧分、シャシに電流が流れてしまうのです。シャシは他の電気回路の電位を決める場所。

此処に電流が流れたら・・・・・・(大汗)。

話は飛んでしまいますが、過去に弄ったアンプの中に、堂々とシャシに電流を流している物を見ました。

設計者は知っている人間ですが、あまり好きな人柄ではなかったので・・・・・・・・・・(汗)。

シャシに電流を流しますと、迷走電流が発生し、シャシの電位が決まらないのです。

こう成ると、アンプの中は何処を基準に働いたら良いのか・・・?(気まぐれなノイズの原因に成ります。)

この場合の解決法が、ワンポイントアース。下の配線です。

此れでしたら、夫々の真空管の電位差はアース配線内で済ませ、シャシに電流が流れません。

逆を言いますと、電流値がゼロで、単に電位をシャシと同じにするだけのアース配線は、ワンポイントの必要が無いのですね。

たとえばパワーアンプのOPT二次側のアース等です(ヘッドアンプの真空管ブロックも、適当に落としていますよね)。オット、無帰還の場合だけですが。トランス二次側からNFを掛けている場合は、二次側も回路内ですので、信号ラインと同じアースポイントに落とします。

つまり、アースの引き回しに、此れと言う方法は無いのです。何が何でもワンポイントとかアース母線とか・・・(ちなみに僕のプリアンプ、昔数えましたらシャシに落としているアースポイント、七箇所有りました、笑)。

其処のアースラインにはどの様な電流が流れ、何処と電位を同じにしなければいけないのか・・。

流れる電気の気持ちに成って、配線をしましょう。

2011.8.22

BACK