レコードって

先日、初めてのお客様が来店。

開口一番、『レコードには所詮生の音は入っていない。だからどの様に再生させるかがオーディオだ。』とおっしゃりました。

一見、正統派。でもあなた、本当にレコードの音を出し切ったのですか?と言いたかったけど、言葉を飲み込んだ。こういった人とは話が噛み合わないのは、過去にイヤと言う程経験している。

レコード再生を楽しみにしている人には、二種類の人が居る。レコードの音を全部出そうとする人と、所詮レコードと割り切って、如何に本当の音楽の様に聞こえるよう、誤魔化せるかと考える人。

後者の方の考え方が大人の考え方。(所詮レコードです。)

でも、僕は前者を自負している。

後者の考え方を僕も一時していた。でもそれって卑怯。レコードにどこまで入っているかも確かめないで、最初から諦めている。レコードの一本の溝にそんなに入る筈が無い。と言うかも知れないが、人間の鼓膜だって一枚。たった一枚の鼓膜で、同時に何種類もの音を聞き分ける。

今のスタンス。とことんどこまでレコードに入っているのか確かめてみよう。とことんやったらレコードがギブアップ。そうしたら後者に移行しよう。

でも、この年まで頑張っても未だにレコードはギブアップしない。もっとも雑誌で評価の良い、アームとターンテーブルの組み合わせ程度では、レコードは本当の姿を見せてくれない。

今の音をエジソンに聞かせたら・・・・・・・・・・。どんな顔をするかな?

                                                    2005.10.20

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