マクソニック 励磁ユニット

今は無いメーカーです。20年程前の日航機事故で、社長が亡くなり、社長だけが技術を持っていた為に、消滅してしまいました。

基本設計はアルテックとJBLに似ていますが、磁気回路に当時としては珍しい励磁を採用していました。マクソニックと僕の住まいが其れ程遠くなく(と言っても50km以上は有りましたけど)仕事が休日の日にはよく遊びに行っていたものです。

当時、発売されていたユニットは殆ど使いました。また、小規模のメーカーでしたので、僕仕様の特注品も良く作ってもらったものです。

励磁についてはオイロダインのところでも書いていますが、とにかく電源は大切です。マクソニックでは電源のコストはギリギリまで落としていました。と言うのも、価格の点でパーマネントのユニットと戦わなくては成らなかったからです。電源分高くなるのは仕方が無いのにヤハリ商売と言った点で不利なのは仕方が有りません。

僕の店が開店したばかりは、当地での代理店でも有り、開店祝いに当時発売したばかりの20cmフルレンジを頂いたのも懐かしく感じます。この20cmユニットの音決めには僕も参加していました。僕としてはまだ不満が有ったのですが、発売を遅らせる事はメーカーの死活問題です。見切り発車でも有りました。

さて、其の電源ですが1台の電源で2つのユニットに電流を供給出来る様に成っています。確かに電流容量は十分でしたが、2つのユニット間でクロストークの発生が起こります。各ユニットへ独立電源をしますと見違えるように成ります。

コンデンサーの質も重要です。只電圧が12V(一部のユニットは24V)なので大容量のコンデンサーが必要になり、フィルムコンデンサーは使うのが難しいです(お金持ちなら出来るかも、笑)。当時の侭の電源をお使いなら、コンデンサーだけでも新しい高性能の物に替えてあげて下さい。ユニット側にコンデンサーを繋ぐのもオイロダインと同じです。当時はその辺の理屈も判らず電源側にオイルコンをパラっていましたが、其れでも効果は有りました。

このユニットを使う時に起こし易い間違いが、電源の配線とネットワークからの配線を繋ぎ間違える事故です。此れをやるとボイスコイルが焼け爛れます。でも、意外と丈夫で断線はしません。勿論正常な動作は出来無く成ります。中古のユニットを購入する時はこの間違いを起こしたユニットの購入は絶対にNGです。とりあえず音は出てしまうので要注意です。

贅沢を言えば電源はバッテリー。実際にやりました。この音を聞いたら電源の重要さは嫌でも判らせてくれます。今のオイロダインは電源電圧が200V。最初から諦めさせてくれる電圧ですね(笑)。

マクソニックの電源で散々苦労しました。その後コアキシャルへ変更。其れ迄の苦労が忘れられず2度と励磁には手を出すまいと思っていたのに、又もやオイロダインで同じく労をするとは・・・・・・・。つくづく自分の懲りない性格が嫌に成ります。

2007.4.18

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