マッキントッシュ 240 275

未だに愛用者の多いアンプです。あのスタイルは素晴らしいの一語。あれだけのデザインは中々出来ません。

でも、流石に古いアンプです。寄る年波にはかないません。

今迄かなりの台数のマッキンを見ましたが、全台数失格なのは真空管ソケット。皆グラグラ。ソケットは消耗品です。でもマッキンは余程自信が有ったのか、ソケットをリベット止め。交換の労力はかなりのものが有ります。でも、必ず交換です。本来の真空管ソケットは親の仇ぐらいの気持ちで引かないと抜けません。親指と人差し指でつまんでスポン、なんてのは完全に不良。そんなのが店頭に沢山並んでいます。

中を開けますと、平ラグを立てて使い、部品が整然と並んでいます。でも、良く見ると右chと左chで抵抗やコンデンサーが違っている物がチラリホラリ。酷い業者ですと二個一、三個一は当たり前の世界ですので用心が必要です。修理で交換したとしても、年季の入っている部品ですから、僕は反対chも交換していました。こうしないと左右のバランスが取り難いのです。

で、ユーザーの方でも出来るチューン。この立てて有るラグの半田。経年変化で酷い状態です。見た目も鼠色。熱した鏝をあてて見て下さい。簡単には溶けず、グズグズに成るだけです。元々品質の低い半田を使っていたのでしょうね。其の侭では溶けませんので、其の上に良質の半田を盛ります。すると両者が混ざってトロリ。

其の半田を半田吸い取り線を使って取り除き、新たに品質の良い半田で付け直し。其の時テキパキとやらないと、熱で部品を痛めますので注意が必要です。

全部終わるのには結構な時間が掛かりますが、終わって音を出すとオッオーー。

真空管ソケットの方も交換すれば、殆どの半田が新品。古い半田がNGなのを思い知らされます。

2007.3.13

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