アームの考え方

この様な仕事をしていますと色々な話に出会います。別に他人に迷惑を掛ける訳でもないので、知らん振りしててもいいのですが、根っからのお節介な私目には出来ません。(笑)

レコードをトレースしているトーンアーム。美しいですねー。僕はあの姿が大好きです。ファッションの入る隙が少なくて、本当のデザインが必要とされています。機能美ですね。

よく、こんな事を耳にします。

『最近買ったアームは良いよー。レコード盤の上でピタッと安定していて見ていて気持ちが良い。』

確かにピコピコ動いてるアームは、何か落ち着きがなく見えて、こりゃ安物だな。といった雰囲気です。

でもよーく考えて下さい。アームの先端がピコピコ動いているって事は、レコードの反りに反応している訳ですし、ピタッと動かないアームはカンチレバーが代わりにピコピコ動いているのです。カンチレバーが動いているって事は、磁気回路の中心とコイルの中心が常にずれていると言う事になるので・・・・・・・・・。

ウーハーのコーン紙が意味も無く前後に動いている事と同じです。

じゃあ、どの様にすればいいのかは、早い話アームの先端を軽くするのです。重いものは動きにくく止まりにくい。中学校で習った慣性の法則です。

でも、シェルを軽くしても強度は必用ですから、その辺をどこでバランスするかがアームを作る時の腕の見せ所。市販のアーム、よーく見てみましょう。

先端の軽いアームは、反ったレコードにとても強いです。

NEXT