完成、そしてテスト。

只今の机の上。

動作チェックは終わりました。

実は今回電源トランスの規格を変えたんですね。音質での面ではなく発熱と耐久性。勿論今迄も十分な耐久性は有ったんですが・・・・・。

もうご存知でしょうがこのプリの最初のモデルが生まれたのは略30年前。

回路は一切変えずにマイナーチェンジを繰り返して来ました。其処で一番変わったのは真空管の動作点。

現在の電源トランスを設計したのは20数年前。当時の物は今でも元気に働いています。

勿論現在の動作点でも問題は無いんですね。

只、昔から比べると真空管に掛ける電圧が可也下がったのです。

トランスは一緒、と言う事は途中の抵抗で電圧調整をしています。つまり抵抗での電圧ドロップを可也やってたんですね。

抵抗の発熱量は・・・・・・・。

と言う事で今回から電源トランスの電圧を下げました。

つまり電源回路の抵抗値はもう一度計算しなおし。電卓片手に計算をしその新しい定数で組んだのです。

で、通電して測定したら・・・・・・。

理想値とピッタシカンカン。我ながらアッパレ。

真空管の動作点は変わっていませんので音質は変わりません。抵抗器の発熱量が少なくなっただけです。まあ地球に優しく成ったのかな?

電源の中身。

シャシの中はトランス類でギッシリ。重量も本体よりも可也重い。ケミコンはヒーター回路のみ(流石に此処まで大容量のフィルムコンは未だ無い)。

B回路は全てフィルムコン。良い時代に成りました。

電源トランスは特注品のカットコア。下手なパワーアンプ顔負けの大きさです。

ヒーター回路にもチョークを採用。とにかく贅沢な電源です。

 

本体内部。

あ、隙間がたっぷり有る。って思ったら大間違い。隙間は将来トランス結合に改造出来る為のスペース。

此処にトランスが8個入ります。

本体もB回路は全てフィルムコン。面白いんですがフィルムコンの中に1個でもケミコンが入ると1発でノイズが増えます。フィルムコンが吸収する筈なんですけどね。

つまりフィルムコンで始めたら、全てフィルムにしないと駄目です。

VRは例のでっかいやつ。小音量時のコントロールがし易く、左右の差も無く優れもの。

高いですけどこの作りを見たら納得。

さてこれから24時間連続運転です。今まで引っかかったアンプはゼロなんですが此れをしないと安心して納品出来ません。

明後日、納品です。

2014.7.1

BACK