SME

とても有名なアームです。日本のアームメーカーに多大な影響を与えたアームでも有ります。

確かに完成度の高さは見事。バランスの良い設計です。

でも、もう少し手を加えるとグレードがグーーンと上がります。

さすがにもう使う方はいないと思いますヘッドシェル。あれはいただけません。で、シェルを市販の良質な物に替えると、シェル側でオーバーハング調整が出来る様に成ります。そうすると無用の長物になるのが、スライドベース。あんなの百害有って一利無し。

何本もの3012を実測しました(メーカーの工作精度を信用していない)。パイプ先端と針先までの距離が50mm(SPUーGシェルの寸法です。殆どのメーカーがこの寸法を遵守)を守り、トラッキングエラーが最も少なくなる位置を探ります。するとアームの回転中心と、ターンテーブル中心の距離が295mmに成ります(何本測ってもこの数値、SMEは精度が良いです、笑)。

この状態で、スライドベースは根元から取り去ります。代わりに極普通なフランジ状に作ったベースと交換します(上の写真。僕は80φのアルミ棒から削出し)。

この音を聞いたら、オリジナルのスライドベースはゴミ箱行き(笑)。一時、僕の店はお客さんの置いていった純正ベースがゴロゴロ。貰い手もいないので、まとめて燃えないゴミへ・・。

更に良くしたいなら、内部配線材の交換。別に銀線や純度の高い配線材などは要りません。要はついている物より太い線。SMEは回転抵抗を嫌って細い線を採用。MMカートリッジならこれでも良いのですが、公称インピーダンス(実測は判りません、汗)3ΩのSPUには細過ぎる。僕のアームに使っている配線材をばらして(4芯シールド線)交換。直流抵抗値は約半分。

確実に出力アップ。同じ音量ではボリューム位置が下がります。

で、最後の詰め。これはメーカー純正のオイルダンプユニット。説明書通りに取り付けて下さい。此処までやると完全に別物。当時、僕の店ではお客様が勝手にSME3点セットなんて呼んでいました。

このアームとRMG(RMA)309と鳴き比べ。ヘヘヘ、SMEの勝ち。まだ市販のアダプターでSPUを付けていましたので、今のクランプタイプならもっと差が出たでしょうね。

2007.3.5

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