ミッドローユニット。

此処ではミッドローと言う言い方をしますが、僕の心の中ではミッドローとは思っていません。

完全にミッドレンジユニット。音楽の中心周波数帯。

話は飛んじゃいますが、一般の3ウェイシステム。

ウーハーは低域。

スコーカーは中域。

ツィーターは高域。

って意識していませんか?

僕の意識は・・。

ウーハー、中低域。

スコーカー、高域。

ツィーター、超高域。

こう考えるのが音楽の周波数バランスを考えると自然なんです。

まあ、一般に出回っている周波数レンジグラフの中間には1kHzが書いて有るんで、間違って認識してしまうんですね。

発信器で純粋な1kHzを聞いて見て下さい。人間の耳では十分に高音です。

中音って感じるのは400〜600Hz。

もう気付かれましたよね。ミッドバスユニットが音楽の重要パートを受け持っているって。

JBLの4343もミッドバスにフルレンジを使えば、更に能力が上がったのに・・・。

あんなへんてこなコーン紙を使うから・・・・・・。

で、今回の5ウェイ計画。一番大事な周波数帯域にオイロダインは使わないんです。

つまり、ミッドバスユニットを中心に、オイロダイン他のユニットでサポートして行こう。と言う考えなんですね。

最初に書きましたよね。オイロダインが主人公ではないって。つまりこう言う事だったのです。

主人公はミッドバスユニット。オイロダインはサポーター。面白いと思いませんか。僕にとってどちらが高価かなんてどうでも良いんです。価格は一切度外視して適材適所。

で、ミッドバスユニットと言いますと、昔使った大型ホーン(バイタのCN123)と言う選択も有りますけど、僕は採用しません。

そりゃ、他人を驚かすには最高の物ですが、人を驚かす為ではなく、自分で音楽を楽しむ為に作るシステム。

そんな気持ちの入る隙間は有りません。

大型ホーン。音道が長いので音が遅いんです。つまり他のユニットよりも遅れるんですね。

其れを解消しようとして、ズーーーっと前に出すと音像はホーン開口部に出来ますから、他のユニットと音像位置が違ってしまう。

つまり、僕はもう使いません。見せびらかすには最高なんですけどねー(笑)。

と成ると、この周波数で使えるユニットはコーン型。しかもメチャ反応の早いやつ。

この写真は、チャンデバが出来た時の試聴会。チャンデバと言ってもれっきとしたパワーアンプ。最初からチャンデバとして使うと素性が判りません。

アンプにとっていやなやつ。アンプの素性をあからさまにしてしまうスピーカー。

こいつを繋いで試聴会を行ったのです。

笑えませんか?お酒の通い箱の上にユニットを裸で置き、倒れない様にマグネットの下にレンガを置いただけです。

でもこんなスピーカーがアンプにとって一番怖い。エンクロージャー等でのフィルターが一切無いのです。

この時に居合わせたお客様。皆さん感心。で、ある方の言った言葉・・・・・。

『後ろのオイロダインの方が確かにバランスは良い。でも音楽のエッセンスはこいつの方が出している。』

僕の感じた事を100%代弁してくれました。そうなんです、音楽を楽しむのに何不自由ないんですね。

このテスト後、チャンデバのLC素子の製作に入りましたから、オイロダインは鳴らなく成りました。

略1週間。この状態で僕は音楽を楽しみ、早くオイロダインで聞きたい。なんて全然思わなかったんです。

音楽を聴くにはこの帯域を如何にキッチリ出すか。前から判ってはいましたが、確信に成りました。

このユニット。シーメンスの10W。コアキシャルのウーハー部です。

鉄板フレーム、フェライトマグネット。オーディオマニアには見向きもされないでしょうね。

アルニコ、強固なフレーム、と言った方式に捉われているうちは、良い音には近づけません。

あくまでも耳での判断。未だにこいつ以上のユニットには会っていないんです。

こいつとの付き合いはそろそろ30年。

本領を発揮させてやりますか。オイロダインを従えて・・・・・。

2012.7.6

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