長さ調節の為、切断したリンク2駒。→がローラー。この中に中空の(パイプ状)ブッシュ(→)が有り、其処にピン(→)が刺さっています。
見ると判ると思いますが、ピンとブッシュの隙間は極小。此処にグリスを塗り封入。ピンにグリス溝でも有ったらずいぶん違うと思うのですが、強度的に難しいのですかね。
つまり、チェーンが曲がるのは、ブッシュとピンの間での擦動です。
曲がる時にプレート同士が擦れ合うと、摩擦は大きく成りますので、ブッシュは若干プレートの外に出ていて、プレート同士の接触を防いでいます。
シールチェーンは、此処の役割もシールが受け持っているのですね。
ローラーは単なる円筒で、ブッシュの外側を自由に回転できます。
ローラーの働きは、チェーンがスプロケに当たる時と、離れる時スムーズに行われる様にするのが役割です。
銅色のローラーは初めて見ました。どの様な意味が有るのかは想像だけですが、この様にコストアップに繋がる事をメーカーがしている場合は、何かの理由が有ります。特にこのメーカーの様に長い歴史の有るメーカーは。
まあ、売る為だけ、と言う理由も沢山見かけますが・・・・・。
とりあえず、簡単な試乗結果です。
フリクションの少なさは抜群。またがって地面を蹴れば直ぐ判ります。
今迄は、軽くリアブレーキを掛けた状態ですから、ハンドリングも変わりました。左右への動きが軽く早いのです。サスのリセッティングが必要です。
一番の効果は、シフトフィーリングの良化。ハーフニュートラルでの引っ掛かりが無く成りました。
軽い加速でも、今迄より軽い排気音で加速していきます。
残るは耐久力だけですね。でも今回色々と調べて、メーカー純正のノンシールチェーン。標準チェーンと呼ばれていますが、¥3000前後で購入できます。
これは単にシーリングしていないだけではなく、チェーンの金属材料も良くない物を使い、熱処理もまじめにやっていない値段です。
高級シールチェーンと同等の材質、熱処理をしたノンシールチェーン。チョット興味有りませんか?
追記です。大事な事です。
今回のチェーンにこの様な説明書きが付いてきました。
『45馬力以上のバイクに使用する時は、別売のカシメジョイントを使ってください。』
そうなのです。STは低パワー。だから、この様な選択も出来るのです。ハイパワーバイクを愛用している方は真似をしないで下さい。
この先は僕の想像です。
なぜ、メーカーはシールチェーンを作ったか?
カシメジョイント。これが鍵の様な気がします。ハイパワーマシンにはカシメジョイントが必要。
そう成ると、簡単にチェーンは外せません。
外せない。洗浄が出来ない。チェーンの寿命を短くしてしまう。
だったら、いっその事シールをしてしまえば・・・・・・・・・・。
僕の想像です。
追記。
このメーカーのチェーンを色々調べました。なんとロードレース専用のノンシールチェーンが販売されています。
ヤハリ、ロスはノンシールの方が少ないんでしょうね。
2009.9.2