14日 (三日目)

最近は目が覚めるのが早い(歳の所為ではない)。目覚まし時計のお世話にならず5:00起床。まだ早いので布団の中でウジウジしていても、眼は冴える一方。

そうだ、チェーン。

STの所に行き、チェーンへ給油。伸びはさほど感じない。此れなら大丈夫かな?

上を見ると青空。やったね。朝食後、すぐに出発したいので荷物を全てSTに積む。

部屋でテレビを見ていたら、食事の用意が出来ました。

不思議と旅館の朝食は食が進む。茶碗に二膳平らげる。

さてお会計。昨夜の大吟醸の値段は・・・・・・・・(怖)。

請求額。定額プラス¥1580。

ヘッ、ビール大瓶2本に大吟醸だよ。どうも普通の清酒と同じ値段。ウーーーーン、どんぶり勘定。

表へ出て出発の準備をしていたらおかみさんが来て、また色々と話。他のお客さんとはそんなに話をしていないのに・・・。

気に入られたかな(笑)。まあこんな歳で、バイクでの一人旅。興味は湧くと思うけど・・・・(汗)。

さっき迄の青空は無くなりどんより雲。天気の変わりが早い。でも、あちこちに小さな青空。合羽を着るか着ないか迷うけど、イイヤ着ないで出発。おかみさんの笑顔に送られての出発です。

順調に走っていると目の前に綺麗な虹。ヘッ、虹って空中に水滴が有るんだよね。雲の様子もおかしい。

バックミラーを見ると、後ろは青空が広がっている。エ・エ・エ?

と思っていると、細かな雨が・・。前方の雲は真っ黒で低い位置。

丁度標識に『←JR青郷駅』。地方の駅は待合室が開放されている。合羽を着るには最適。ハンドルを左へ・・。

2〜300mで駅舎。思った通り、駅舎の外にベンチ。屋根も有る。勿論待合室に入れるのだけれど、乗車をする訳ではないのでチョット遠慮。

合羽を着終わったら駅員のおじさん。

ピ『済みません。場所をお借りしています。』

おじさんニコニコしながら『バイク旅行かい。何処から来たの?』勿論方言です。

チョット世間話。一服の安堵感。この様な時、チョットの会話に救われます。

お礼を言って出発。でも前方の雲。凄過ぎる。かなりの雨の感じ。

この日は、今回のツーリングで、下道での距離が一番長い日。雨では次の宿泊地へかなりの遅刻。

丹後半島は諦めました。雨では楽しい走りは無理だし、地図も思う様に見る事が出来ません。

舞鶴、宮津と走りますが雨は本降り。風が無いのがせめてもの救い。問題は今履いているタイヤ。雨の経験ゼロ。高速ならまあ大丈夫ですが、コーナリングは・・・・・・。

どの程度グリップするか不明なんですね。

宮津手前は断崖絶壁の上のワィンディング。チョイ怖い。

でも、不安なスリップは無く、雨でのグリップには問題無さそう。

急遽、コースを変更したので、コース予定図があてに出来なく成りました。国道番号を書いて有るのですが、役に立ちません。

此の辺で変更と言う所でまたもや『←JR岩田北口』の標識。

すぐに左へ。ヤハリ2〜300mで駅舎。

此処は無人駅。田舎の駅はトイレも外へ開放されています。つまり公衆トイレも兼ねているんですね。

僕の前にトイレから出て来た人。外の車で立ち去りました(笑)。

無人駅なので待合室に入り、地図の確認。

その時突然アナウンス。テープの声ですね。

『列車が入ります、ホームの白線の中でお待ち下さい。』

僕はすぐにカメラを取り出し・・・・・・・・。

実はこのおばさん、出口に袋が挟まって苦労しています。運転手はユックリ待っています。ローカル線のホノボノ光景。

道路番号も判り出発。

丹後半島を周らなければ、約50kmの短縮。此れで時間の遅れは取り戻せます。

312、178と走り香住を通過。街の出口に『香住こうばん』と書かれた建物。

交番?大きいよねー。3階建ての建物でパトカーも2〜3台止まっている。警察署。でも親しみやすくこうばん。チョットホノボノ。地方での面白い看板大好きです。

今迄で、No1の看板。

東北山形市。ある酒屋さんの店先、結構な台数の自動販売機、お酒と煙草が主流。其処の上に掛かっていた看板。

『酒も煙草もやめないで、人間らしく生きようヨ。』当時禁煙ブームが流行りだした頃です。此処の店主に最敬礼。

香住を出て6km程・・・。

余部鉄橋です。この観世音菩薩の台座横には・・。

この事故は、当時マスコミを賑わしましたから、ご存知の方も多いと思います。

僕も菩薩に手を合わせ・・。

新しい余部鉄橋。事故当時は鉄骨を組んだだけの、本当に鉄橋でした。

其処へ突然大勢の人。

ハッ?記念写真を撮ったり、中にはピース写真を撮る人も。

うそだろー。此処でピースサインは・・・。

丁度昼食時。この場所には不釣合いな軽食喫茶が二軒。

その内の一軒に入りカレーを注文。

ガラス越しに外を見てると、どう見ても観光バス客。

10分ほどで全員がいなくなる。

まあ、程々のカレーを食べ出発すると、出てすぐ観光バス駐車場の看板。勿論乗用車用も有る。

此処も観光地か・・。人の不幸も観光地にしてしまう。

あの軽食喫茶も、事故前には無かったと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

チョット重い気分で走り出します。

暫くは海岸線から離れ、山間のワインディング。

よく道路脇に有る、チョットした休憩場所。勿論トイレも何も有りません。

其処に東京では珍しいものが・・。

本当に空き地にポツンと有ります。実はこの公衆電話。進行方向右側に有りました。

STの向き?

ハイ、写真を撮りたくてUターンしたんですね(笑)。

東京にももっと欲しい。そうすれば嫌いな携帯を持ち歩かなくて済むし。

ひょっとして・・?此処って圏外?

自分の携帯で確認。電波は十分に強い。此の辺のドライバー。携帯普及率低いのかなー(街中ではないのでドライバー以外の利用者は考えられません。)。

此処で写真を撮っていたら、STからポタりポタりと水滴が落ちている。落ちている場所を確認。ナント、ドライブチェーンから。

落ちた水滴が地面に小さな水溜りを。よく見ると表面に薄い油膜が・・。

そうか、こうしてオイルを洗い流してしまうんだね。

フルチェーンケース。ツーリングには必需品かも。

写真で判ります様に、この辺では日差しが。でも油断は出来ません。この日差し、本当に小さな青空から。周りは真っ黒な雲。

鳥取に入る直前から、またもや強烈な雨。

対向のバイクライダーが慌てて合羽を着込んでいます。対向の人が此処で着るって事はこの先は降ってないな。此の辺の読みも覚えて来ました。

鳥取の街中は小降り。ヤハリ。

でも出たら本降り。勝手にしてよ。写真は完全に無理。鳥取砂丘も全然見られなかった。

米子へ近づくと今度はキツイ直射日光。でも怖くて合羽は脱げない。チョット外れると黒雲なんですから。

米子から今日の宿泊地境港。

途中の米子空港。空港名が米子鬼太郎空港に成っていてニコッ。こんなジョーク大好きです。

境港市、本当に小さな港町。

此処は水木しげる先生の出生地なんですね。それで今は大ブーム。お盆の頃は観光客でいっぱいだったみたい。

今夜お世話に成る『旅館美佐』。向かいが『味処美佐』。経営者が同じと言うだけでなく、この二軒兄弟・・(笑)。

味処美佐は地元魚に拘った居酒屋さん。で、馴染みの客に『飲んで食べたら、帰るのが億劫に成った。簡易宿泊所を作ってよ。』と言われて旅館美佐を建てたらしい。

こんな乗りも面白い。主人のブログに料理への意気込みも感じたし。

16:00到着。玄関を開けると張り紙。『御用の方は向かいの味処美佐へ声を掛けてください。』

ハハ、思った通り。向かいの美佐に声を掛けると、料理の下準備中だというのに、気分良く部屋へ案内。エライ。仕事を中断させられるのって嫌な筈。

部屋は二階。

ピ『水木ロードの周りのお店は何時ごろまで開いていますか?』

店『此の辺は早くて、6時には閉まっちゃいますよ、行くのなら早めに。』

慌てて、カメラを持って外へ。レンズはパンケーキ(銀塩カメラの50mm相当)1本に絞る。

今回のツーリング、殆どの写真がこのレンズです。

水木ロード。解説はしません(笑)。

こんな写真を楽しんで美佐へ戻ります。

さてお風呂。風呂は沸いています、って言ってたな。

浴室に入る。ガーン。湯船にお湯が入っていない。

まあ、お湯と水の蛇口が有るから、はれば良いか。

お湯の蛇口を開きます。最初は水。ボイラーから此処迄のパイプは水ですから仕方ないですね。

で、いくら待っても、お湯に成らない。エーーーーーー!

俺、スッポンポン。寒くは無いので大事なところだけ洗ってお終い。

マイッタナー。お店は下準備で忙しいだろうし・・。

一旦浴衣を着て、外のボイラーの探検。

石油は満タン。これと言って異常は見つからない。でも表示ランプが点いていないよ。

周りの配線を探ると、1本の配線、建物の壁に入っている。

ひょっとして電源コンセントが抜けているかな?

再び脱衣所。窓の下にコントロールボックス発見。運転のボタンが押されていない。

こいつだな。運転のボタンを押す。運転中の表示。

浴衣を脱ぎ、浴室へ。お湯の蛇口を捻る。かすかにボッと言う音。着火したな。程なくお湯が・・。

ウーーン、良い客だよね。湯船にお湯がいっぱいに成るまで、シャンプーと体の洗濯。

体を洗い終わっても、まだ浴槽の中は半分程。マアいいや。入っていれば増えるだろう。

ノンビリと浴槽の中でいっぱいに成るのを待ちます。食事時間遅めで頼んで良かった。早い時間を頼んだら間に合わなかったな(笑)。

約束の19:00。向かいの美佐へ。

店内席はカウンターと座敷。

僕の食事はカウンターに用意されていました。

ウン。値段から言って十分の量。追加で1品料理を1〜2点(この時はそう思っていた)。

流石、地元産。鮮度が良い。ビールでスタートして冷酒に入る。

此の辺から、僕のカウンターの横にはこの店の女将さんが・・・・・・。

色々と僕に気遣ってくれる。イイノカナー?

座敷にもお客さんいるのに・・・。

食事をしながら女将さんとたわいも無い会話。

カウンターの料理が半分くらいに成った所で、煮魚が出て来た。

ヘッ、此れもつくんだ。

暖かいうちにと食べだしたら、今度は焼き魚。

お酒も結構行ってしまい、何が出て来たか覚えていないけど、

その後も料理は運ばれ、結構なスピードで食べてると思うんだけど

目の前の料理がゼロには成らない。

ネットで見ていた海鮮丼。此れは追加で頼もうと思っていたのに、最後に此れも出て来た。

『此れでお終いです。』って運んでくれた女の子。イヤお終いで十分。

この後何が出たって入らない。

本当にビックリ。宿泊料込みで¥6330。この値段で、こんな料理をもう入りませんまで、食べさせてもらえるなんて・・。

結局、女将さんはカウンターから女の子に指示を出すだけで、僕の食事中、ずっと隣に・・。

昨日の民宿もそうだったなー。中年の女性にもてるのかなー?(汗)。

此処は朝食は抜きだけど、夕飯で朝食分まで食べた感じ。翌朝に成ってもお腹は空かないだろーなー。

膨れたお腹をさすりながら退散です。オット、カウンターの中にいた板さんも良い人でした。

本日の走行距離。 289,5km でした。

オヤスミナサーイ。

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