ビングのニードルジェット。国産のキャブとはかなり違います。此れの働きは、国産キャブならニードルのストレート部分の径を変えるのと同じに成ります。ニードルの太さを変えずに、ジェットの穴径を変えて調整するやり方です。

一般に負圧キャブは簡単だと思われている様ですが、本当に合わせ様とすると、CRより難しい。

一番の難点はスロットルの位置とスライドピストンの位置がシンクロしない事です。スライドピストンが上がり出すのは結構スロットルを開けてからで、普通に流している程度ではバタフライバルブだけでピストンは上下していません。

更に、ややこしくしているのが、スライドピストンは最後まで降り切っていない。と言う事で不調の原因が何処が狂っているのかを見つけるのが、兎に角ややこしい。

つまり、スロットルバルブ(バタフライバルブ)だけが働いている状態では、このニードルジェットで混合気の空燃比の殆どを決めています。

今回、ほんのチョットした事が気に成って、色々弄っていたのですが、結局元のセッティングに落ち着きました。気に成っていた所を直すと、今気に入っている3000rpmからの吹き上がりが消えて重い(BM本来かも?)吹き上がりに成ってしまうのです。此れがCRとかTMRなら色々弄る場所が有るのですがビングの悲しさ、これ以上の詰めは難しいかもしれません。

オット、気に成っていた所を書き忘れ。走っている分には全然判りません。スタンドに立てた状態で本当にユックリとスロットルを開けていくと、1,500rpm辺りで、若干ばらつくのです。スロットルをグット開けると其の症状は出ません。濃いのか薄いのかも判り辛い症状です。ニードルジェットを変え、ニードルのクリップ位置を変え、パイロットスクリューも散々弄くり、結果、ほんのチョイ濃い目にすると目立たなくなるのですが、そうすると3,000rpm以上での気持ちの良い吹き上がりがスポイルされてしまいます。

どうも、バタフライバルブがある開度の時にだけ混合気の流れが乱れる様です。どうセッティングしても完全には無くならず、スロットル(バタフライバルブ)の開いている位置は同じですから。

走っては判らないのですから気にしなければ良いのですが、性格ですかね(笑)。でも、考えつく事は全てやったので、諦めもつきます。やり残しが有ると、気に成ってしまいます。

キャブ交換は早くなるかも知れませんね。

注)負圧キャブの場合、スロットルバルブはバタフライバルブで、一般のキャブでスロットルバルブ(ニードルが付いていて、キャブ中心で上下している)の部分はスライドピストンです。CRやTMRはこのスライドピストンを直接動かしますので、スロットルバルブに成ります。

2007.3.22

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