この写真は、作業中の2号ですが、1号もイグニッションコイルはこれを使っています。早い話が国産4発用。ポイント点火時代の物です。何故これを使ったのかと言いますと、BMの純正コイルは1次側が1Ω前後。これはCDIにはいいですが、トランジスター点火には?。

このコイルは一次側のDCRが3,9Ωと成っています。思ったとおり、単に交換しただけで、アイドリングの落ち着きが早くなりました。

でも狙いは別の所に有ります。コイルを二個つける。その為にはイグナイターの負担を増やさない様に、一次側の抵抗の大きなコイルが欲しかったのです。抵抗値が3倍強有りますから電流値は1/3弱。動作状態は、抵抗値だけでは判らないので、インダクタンスも測定。2,5倍有りました。つまり流れる電流が一個当り1/2以下ですから二個使っても問題なし。

何故2個つけるのか。僕に言わせるとメーカーは何故1個しかつけないのか。コストダウンか、電気を判ってないか、電気を馬鹿にしているか。国産4発も同じで2コイルは・・・・・・。(隼は4コイルですネ。)

一個のコイルで2プラグ点火と言う事は、片方のプラグは中心電極から放電し、もう片方は側方電極からの放電。これでは一生懸命プラグメーカーが中心電極を細くしても、御利益に預かれるのは、片方だけ。(消炎効果は期待できますけど。)

両気筒に中心電極から放電させるのには、コイルを二個つけるしか有りません。更にハイテンションコードだけで電流を供給、戻ってくるのはエンジンのベタアースなんてとんでもない。(だからアーシングなんて宗教が流行ってしまう。)

リターン側もキチットコイルに戻すのには、二次がフローティングされている2プラグ用が最適。と言う事でこのコイルを2個使っています。

ハイテンションコードの片側はプラグへ、もう片方はプラグに近いヘッドのネジへ。どちらをプラグ側へ繋ぐかはハタカブコーナーに書いて有ります。

これでボクサーのアイドリング時の振動は確実に減ります。更に本来2プラグの電圧を1プラグに供給していますので、プラグギャップを広げられます。(僕の場合は1mm)これで消炎効果に関しては細い電極の高級プラグ並。

このコイル、一個¥3500。どこかのコイルの半値以下。つまり2個買っても安い。コイルの選択は、単に一次の抵抗値だけで合わせても意味が無いのです。どの様な点火システムで使うのかが問題です。意外とメーカーもこの辺はいい加減です。

              

                                    2006.5.10

重要な追記です。

最近、僕のコピーをしてツインコイルを実践した方が増えてきました。其の事は喜ばしい事なのですが・・・。

何人かの方が、失敗をしているのです。其の方達の共通点は・・・・。

コイルを僕の物と違う物を使っているのですね。

コイルの基本として覚えて下さい。低い周波数には抵抗値が下がり、高い周波数には高い抵抗値を示す事を。

つまり、低回転ほど低い抵抗値、つまり大電流が流れます。

僕がこのコイルを取り付ける時に、DCRの測定だけでなくインダクタンスの測定をしていた事を思い出して下さい。

2個のコイルに同時に電流を流すのです。イグナイターには負担が大きいのです。

特に最近のコイル。小型化が進んでいますので、DCRは高くてもインダクタンスは低めです。

このインダクタンスが低い方が、高回転のエンジンには適しますので、最近のコイルを使う場合には注意が必要です。

ついでにこのコイルの品番をアップしておきます。

33410−45012

スズキ純正ですが、他のメーカーでも現行車で使っていますので、最近でも生産しているコイルです。

更に追記。

このコイル、ハイテンションケーブルが一体です。無理をすれば交換が出来ます。

で、普通は接続アダプターを使って高級ケーブルに(僕がそう)。

此処の接続を嫌う方がいますが、電気が判れば平気な筈。最近のプラグ、抵抗入り。僕の場合はプラグキャップに内蔵。

この抵抗値、5kΩ。接触抵抗で5kΩなんて有り得ない数字なんですね。

ハイテンションケーブルに高級品を使いたいのは、電気の流れ易さではなく、周りの被覆の信頼度が高いからです。

安物ケーブルも高級品も中の電線には大した差が無いのが現状です。

2011.1.5

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