オイル粘度とは・・・・。
エンジンオイルを選ぶ基準に、粘度が有りますが、此れって結構間違って理解している方が多そうですので・・・・・。
上記は、BMWモノサスシリーズのオーナーズマニュアルをスキャンしたものです。
適応外気温と其れに対応する粘度指数をグラフにしたものです。
何か、感じませんか・・?
末尾の数字が50でも先の数字が10Wですと、高温時での使用はNGなんですね。
なぜでしょう?
バラしちゃいますと、僕はあるオイルメーカーと係わっています。まあ、大体気付いていますよね。
更にサラリーマン時代、油圧機器を扱っていましたので、オイルメーカーに、オイルの基礎を学習に数日間泊り込みでの勉強も・・。
と言う事で、一般バイク屋さんよりはオイルには詳しい自信が・・・(笑)。
で、なぜ最初の数字が小さいと、高温下での運転は出来ないのでしょう?
理由はオイル製造法。
オイルは、ベースオイルに添加剤を混ぜて欲しい性能に仕上げます。
鉱物油のベースオイル。基本的にシングルグレードです。温度により粘度指数が変わります。
で、マルチグレードにしたい。
15W50としましょうか。
この場合、15番のシングルオイルをベースに添加剤で50番まで持つようにするのですね。つまりベースオイルは15番のシングルです。
新品オイルの時は良いのですが、オイルはベースオイルよりも添加剤の方が先に痛むのです。
つまりハードな運転に晒されて、オイルはドンドン15番シングルオイルに成ってしまうのです。
この為、BMWは最初の数字が小さいと、高温下での使用を推奨しないのですね。
で、良質の化学合成オイル。此れはベースオイル自体がマルチグレードなのですね。結果添加剤の使用量を減らしてもワイドレンジのオイルを作り易いのです。
また、添加剤が少ないと言う事はオイルの痛むスピードも遅く成ります。
僕は、鉱物油を愛用していた頃は、マルチグレードでもワイドレンジは使いませんでした。SRで頑張っていた頃は、シングルグレードがメインでしたね。
鉱物油のワイドレンジは、同じベースオイルならシングルに敵わないと言うのが、当時の常識でした。
夏場に10Wから始まる鉱物油は、ボクサーには結構辛いです。
2010.8.31