アームの考え方 V

レコードの好きな私ですが、CDに敵わないと思っていた事が有ります。ピアノのアタックとフォルッテシモの大音量。ピアノは何か鈍って聞こえますし、フォルテッシモは何かあやふやな表現です。(危なっかしいとも取れる表現)レコードの製作過程を考えますと、その辺は苦手な筈。

長年レコードには入っていないのか、再生系の問題なのか判らないでいました。

ふと思いついたのが、現在のアームの問題点。インサイドフォースは知っていますよね。レコードの回転によりアームが内側に引っ張られる現象です。

これと同じ事が上下にも起きているのです。レコードをトレースしているアームを真横から見てください。針先はレコードの回転で前に引かれています。この針先の高さとアームの上下動の軸受けの高さを見比べて下さい。一般に殆どのアームはパイプの中心に有りますから、針先よりも高い位置に有ります。

つまり、軸受けより低い位置を前方に引かれているのです。と言う事は軸を中心に回転力が発生している訳ですから、針圧が軽くなる方向に力が掛かります。更にまずい事に引かれる力は溝の状態で常に変動していて、フォルッテシモやアタックの時に強く引かれ、一番針圧が必要なときに針圧が軽くなっているのです。チョットまずく有りませんか?

じゃあ解決法は・・・・・。針先位置と軸受けの高さが水平なアームを見つけなければなりません。先のT、Uの条件も満足させなければなりません。そんなアームをご存知ですか?

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