アームの考え方 U

先にアームの先端は軽い方が良い、と書きました。でも現実の世界では重いシェルが持てはやされています。確かに軽量シェルと聞き比べますと音のエネルギーは良く出ています。でもチョット鈍く重い音がしていませんか?アームの先端を重くしますとこの様な音に成る傾向が有ります。

でも軽いシェルのキラキラした音はどうも・・・。と考えて重量シェルを使用しているのでは無いでしょうか。これを解決するにはアーム本体の強度を上げ、シェルのマスでカートリッジを支えるのを止めるしか有りません。

ハッキリ言いますと、今のパイプでは強度が足りません。強度の無いパイプの先に重量の有るシェルをつけるのですから、この構造はバネの先に重りをぶら下げたのと同じ事です。つまり共振体の構造です。こんな構造のアームに取り付けられたカートリッジはたまった物では有りません。下からはレコードの溝に振動体を動かされ、上からはアームの共振にボディが揺すられているのです。

とにかくプレーヤーキャビネットを鳴かすエネルギーが有るのです。マスで支えないでアームの強度で支える構造で無いとカートリッジをレコード盤の上にしっかりと支えるのは難しい事なのです。

溝の振動にはビクとも動かずに、反りや偏芯には抵抗無く動く。この相反する条件をいかにクリアーするか。簡単で難しい問題です。

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