プリアンプを組む時に、色々な話題が豊富に出るのはイコライザーをどうするかでしょう。基本的にNFで作るか、段間に素子を入れてカーブを作るかなのですが、其々一長一短。周りの条件を揃えて試聴しますと、確実に再生音には差が出ます。カーブは一緒なのにです。この様に理論上よりも試聴の結果でどちらかを選んだ場合は注意が必要です。何故かと言いますと、其の時に使った他の機器の影響を受けての試聴ですから、イコライザー単体の試聴ではないのです。

僕自身は、持論的にも聴感上でもNF型は採用したく有りませんので、残るはCR型と成るのですが、更に高級(と言われている)な素子にLCRが有ります。一部のマニアには絶賛されている方式です。

上の写真の左のケースに入っている物がLCR。右の小さなパーツ群がCR素子です。

もう20年近く前、CRで組んで有ったイコライザーをLCRに交換しました。音色は変わらないのですが楽器の定位、前後感が良く出ます。迷わずLCRにチェンジしました。

このLCRは20kΩのインピーダンスで作って有る為に、前段の出力にトランスを必要としませんし、出力も次段のグリットに直接加えられます。

最近まで僕のアンプを始め、沢山のユーザーに使ってもらっていました。

只、聴感上は良くても何故(理論的に)良いのかは疑問のままでした。イコライザーカーブは6dB/octです。12dB/octなら理解できるのですが?コイルの線間容量も疑問を抱く一つです。

最近は当時と違い、はるかに良いパーツが手に入ります。CR素子も其の例に洩れません。其れまで使っていたアンプを、イコライザー素子だけ最新型のCRに変更してみました。

レコードに針を下ろすと、従来LCRには敵わなかった定位感、前後感も差が有りません。逆に、細やかな楽器の表現力はCRの方が勝っています。

聴感で、選んだ方法は(理論的に裏づけの無い)この様に周りの条件が変って来ますと、あてに出来ない物です。高級な方式と言うのは、単に部品代が高いだけの場合も見受けられます。

今回はCRに軍配が上がりましたが、更に良いLCRが出て来て、また変わるかも知れませんが・・・(笑)。

2006.11.6

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