スラップ音の正体
腰上をオーバーホールしても、スラップ音(らしき物)は消えません。
ロッカーアームのサイドクリアランスかな?と言う事で、前回は開けなかったロッカーアームからシャフトを抜いて見たら・・・・・・・・・・。
左エキゾースト側のニードルがサイドリップを破って2〜3本顔を出しています。(ゾーーーー)
ウーン、外に飛び出さなくて良かった−。近くのディーラーにベアリングを注文すると在庫有りとの事。
このディーラーには部品で散々世話に成っています。その為に在庫状況で其処の部品の故障発生率が想像できます。
消耗品、または割りとよく壊れる物 在庫有り
たまに壊れる物 BMWJAPANから取り寄せ
めったに壊れない物 本国(ドイツ)より取り寄せ
と言う事はーーーーーーーーー。
ついでなので8個全部交換する事にしました。でも良く見るとベアリングのサイドリップを押さえている物が見当たりません。特に二つのベアリングの内側は剥き出し状態。
そこで、内側にはディスタンスカラーを挿入(砲金製、オイル通路は確保しています)。外の下側には砲金のカラーを。上側のプラスチックカラーは砲金で作り直しました。ベアリングの幅にはばらつきが有るのでディスタンスカラーは現物合せです。
ベアリングにはインナーレースが有りません。ロッカーシャフトで直に受けています。その為輸送中にニードルがバラけ無い様にグリスで封入しています(普通は)。
買ってきたベアリングを灯油に浸しました。固定用のグリスを洗い流す為です。処が何か変です。グリスが溶けてきません。
えーーーー、ってよく見てみたらグリスではなくワックス(蝋)でした。こ、これはまずい。
今回、僕は洗い流しましたが、もしもそのまま組んでいたら、ニードルの周りはワックスで固まっています。つまりオイル通路がワックスで詰まっているのです。油温が上がってワックスが溶けてから潤滑が始まるわけです。つまり其れ迄は無潤滑。
ワックスを完全に洗い流しエンジンオイルの粘着性でニードルを一個一個はめ込み、精密バイスでユックリとベアリングをロッカーアームに圧入。其れが終わってからロッカーのサイドクリアランスの調整です。
ボクサーはサイドクリアランスをちゃんと調整しないとタペット音は消えません。その訳はプッシュロッドとアームが直角に触れていない為です。つまりプッシュロッドが押し上げるとロッカーアームは上に押し上げられ、プッシュロッドが下がるとアームも下に下がります。この為サイドクリアランスの調整は大事です。
ロッカーシャフトにも磨耗が見受けられた為交換しました。
結果、あんなに悩まされた不快な異音はなくなりました。
タペット音は出て当たり前、出なくなったら異常。との話も有りますが・・・・・・・・・?
手作りカラーもちゃんと仕事をしているみたいです。100,000kmは走りきるつもりですので、まだまだ頑張ってもらわなければなりません。