これが今回のアンプの回路です。ch2はch1と同じなので、省略しています。(単に面倒だった。)

電源部から行きます。まずACイン。この図では片切りタイプのSWを使っていますが実際には両切りを使っています。又ヒューズもブレーカーを使用しました。その辺は配線の写真で判断してください。

電源トランスはB回路を 500-0-500V 100mAで巻いてもらいましたが、チョークインプットでもチョットきついかもしれません。

300Bのフィラメント点火用の巻き線は、6,3Vです。5V巻き線でDC点火はきついです。

B電源用のリップルフィルターコンデンサーは、うっかりケミコンの記号で書いてしまいましたが、全てフィルムコンデンサーを使います。最近は大容量で耐圧の高いフィルムコンが出来てきましたので、使わない手は無いですネ。

CH1は10H、CH2,3は20Hを使いました。コンデンサーの容量でリップルフィルターを作るより、小容量のコンデンサーにシッカリしたチョークの組み合わせを僕は選びます。何故かは実験してみてください。きっと分ります。

C7,8,9は全て30μの予定です。

R7,8は1mAぐらい流れるような値を選んでおけばマズ間違いが有りません。

C4,6は4000μ程で十分でしょう。C4の値を変えると、電圧が変るので注意が必要です。

R6は実際に組んで最適値を、捜します。初めての電源トランスですので用心に越した事は有りません。1Ω前後で決まるとは思うのですが。許容電力は十分余裕の有る物を使ってください。電源投入時には、大きな電流が流れます。

信号ラインの入力から見ていきます。インプットトランス(T1)を使用しています。

1:2,8の昇圧比です。300B二本に信号を加えるので二次側が2コイルの物がベターです。こうする事によって、お互いのグリッドが切り離され悪影響を(グリッドには微弱ながら電流が流れています。)受けません。アース側が切り離されるのも、アースラインの引き回しを考えますとベターです。

出力管の入力感度は、此処のトランスの昇圧比でコントロール出来るので、ドライブアンプには手をつけずに済みます。

R1の選び方ですが、これはT1に何を使うかで決まってきます。入れる、入れない、と単純に考えている方がいますが、そんな単純な物では有りません。要は前段の(この場合はドライブアンプ)出力インピーダンスによって決まってくる物です。オシロでf特を測りながら決めるべきです。出力インピーダンスが十分に低い場合は、抵抗値は下がってきますし、逆の場合はオープンに成ります。(詳しくはこちら)

バイアスはセルフバイアスです。出力管の保護を考えますと固定には手が出ません。セルフはコンデンサーの音がすると言われる方がいますが、固定でもC電源の音がします。要は使い方次第で、音はなんとでも成る。としたら安定度を僕は採ります。固定バイアスで長年使ったアンプの、バイアスをチェックして見てください。唖然とすると思います。

陰極のパスコンに、大容量のコンデンサーを使われる方を見受けますが、そのコンデンサーがチャージアップするまで、バイアスがゼロな事を、肝に銘じるべきです。少なくとも人様に渡してお金を取るアンプに使用するべきでは有りません。

此処には10μを3個使っていますが、これでも大きすぎるくらいです。100μなんてとんでもない。

(今回は僕用なんですけどね。笑)

R2,4は24Ω。R3は50Ω(こうするとハムバランスが取り易い。)R5は880Ωですが、この辺は出来上がってから要調整です。

色々な雑誌で、出力管の試聴記成る物が書いて有りますが、僕はあれは、其処でそのアンプで使った場合の試聴で、条件が変ったら、丸っきり当てに成らないと思っています。つまり使ってみなければ分らない。今回採用したアウトプットトランスは、其処のメーカーに使える仕様の物が二種類有りました。使わなければ解らないので、二種類共手に入れています。これも最初の条件(組んで直ぐ)での結論は、避けなければなりません。じっくりと半年ぐらいは付き合わないと僕には判りません。

NEXT