プレーヤーシステムを作る事に成りました。今回のプレーヤーは糸ドライブを使い、アームも僕製の物。1本アームでコンパクトにと言うのが条件です。アームは現在も使って頂いていますので、ターンテーブルとキャビだけの製作です。

仕事の手順として、待ち時間の多い物(塗装の乾燥待ち等)や二次加工に外に出す物を(アルマイト加工等)先に作ってしまわないと、時間が無駄に掛かってしまい、結果的にお客様に迷惑を掛けます。

一番待ち時間の多いのは、何と言っても塗装の乾燥待ち。キャビネット加工に最初に掛かります。

キャビの材料はタモの集成材です。集成材は定尺が無く、オーダーが基本です。板厚50、横幅500、奥行き440、決して小型では無いですね。(笑)アームがロングですのでどうしても必要なサイズです。

最近キャビに木材以外の材料を使っているプレーヤーを見受けますが、お勧めしません。其の材料の固有の音が付き纏います。木材の良さは、場所場所によって密度が違い(木目が有るので当たり前)固有の振動を起こし難い点です。また人間の耳にも木材の振動は心地良い物です。材料の選び方として、先ず共振音が人間にとって耳障りでない事、其れを適度にダンプして使う。これを重視して材料を選んでいます。

僕は、基本的にショートアームは薦めませんし、自分でも使いません。散々色々なアームで遊んでいた頃に、ロングとショートを鳴き比べました。一種類では単に其のアームだけでの結果に過ぎませんからNGです。周りの条件も揃えなければ意味が有りません。専門店で働いていた人間だけの特権ですね。(笑)

結果は、どのメーカーでもロングに軍配が上がりました。ロングを聞いた後、ショートを聞くと、位相が狂っている様に聞こえ、音が上ずって聞こえます。その後もチャンスが有る度に聞き比べをしてみましたが、結果は同じでした。何故その様に聞こえるのかは不明です。後付の理屈は何とでも付けられるのですが。

手軽に使いたいので有れば、CDと言う非常に便利な物が沢山出ています。そんな世の中にレコードに拘るのですから、手軽さよりも性能重視で無ければ意味が有りません。

木材は、金属と違い膨張収縮の激しい材料です。その辺を見込んで寸法出しをしないと後で痛い目に合います。(過去に散々味わっています。笑)慎重に穴の位置にマーキングをして行きます。

NEXT